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36年ぶりに来日したイヴォンヌ・エリマンの来日公演をレポート!

イヴォンヌ・エリマン   2011/11/30掲載(Last Update:11/12/01 12:27)
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36年ぶりに来日したイヴォンヌ・エリマンの来日公演をレポート!
 11月18日〜20日、東京・丸の内COTTON CLUBで、36年ぶりの来日となるイヴォンヌ・エリマン(Yvonne Elliman)のライヴが行なわれました。その最終日、2ndセットの模様をレポートします。

【イヴォンヌ・エリマン/東京・丸の内COTTON CLUB レポート】

  今年でオープン6周年を迎えた、東京・丸の内COTTON CLUB。これまでさまざまなジャンルの国内外アーティストが多数出演したこのステージに、11月18日〜〜20日(計6公演)、ついにイヴォンヌ・エリマンが初登場した。じつに36年ぶり、4度目の来日、日本初のソロ公演である。

 先にイヴォンヌのプロフィールをざっと振り返っておこう。ハワイ出身で、英国人と日本人の血を受け継ぐイヴォンヌは、17歳の時歌手を目指し、単身ロンドンに渡る。キングス・ロードのクラブで歌っているところを、アンドリュー・ロイド・ウェイバーと作詞家のティム・ライスに才能を発掘され、ロック・ミュージカル『ジーザスクライスト・スーパースター』のヒロインに抜擢されると、イアン・ギランと発表した関連アルバムが300万枚のセールス、73年映画化された際にはゴールデン・グローブ賞の主演女優賞にノミネートされるなど脚光を浴びる。

 そして彼女の経歴でよく知られているのが、ソロ活動と並行して行なわれた74〜75年のエリック・クラプトンとのレコーディング・セッションや、ツアー参加だろう。また、78年、映画『サタデー・ナイト・フィーバー』の挿入歌「If I Can't Have You」が世界的なヒットを放ち、ポップ・ロック・シーンにおいて名声を確立。これまでにベスト盤を除いて、通算6枚のソロ・アルバムを発表し、2004年にはハワイ録音の最新作『Simple Needs』(ミニ・アルバム)を発表。現在はソロ・パフォーマーとして、世界各地で活動を続けている。

 まもなくイヴォンヌのステージが始まろうとしている。個人的には79年に、ハリウッドのクラブ“The PALOMINO”で観て以来、そして日本では75年のクラプトンの公演以来である。待ちに待ったこの日。心とからだが徐々に高揚する。会場には、イヴォンヌの多岐に渡る活動に伴い、幅広い年齢層のファンが駆けつけている。

 午後8時。いよいよステージが始まった。オープニング・ナンバーは、全米シングル・チャート第15位を記録した「Hello Stranger」。曲が終わって「Aloha!」と、チャーミングな挨拶。ハワイ出身のイヴォンヌらしい、ジョークを交えたユーモラスなトークに、飾り気のない素顔が垣間見える。

 2曲目の「Catchin' a Wave」、続く3曲目は74年にリリースされたクラプトンの大ヒット・アルバム『461 オーシャン・ブールヴァード』のシングル・ヒット「I Shot The Sheriff」。懐かしのフレーズに、会場から拍手が湧く。

 4曲目「I Don't Know How To Love Him(私はイエスがわからない)」は『ジーザス・クライスト・スーパースター』の挿入歌で、イヴォンヌにとって初の世界的ヒットとなったナンバー。瞼を閉じると、リリカルなバラッドが心の琴線に触れ、映画のワンシーンとメロディーが交錯する。

 そして、5曲目の「Hand Jive」からは、イヴォンヌのアコースティック・ギターをフューチャーしたナンバーへ。6曲目「Simple Needs」は、心地よいハワイの風を感じさせる、温かみのある自作曲。イヴォンヌのリリカルなギターの音色に、みずみずしく伸びやかな歌声が醸し出される。  


(C)Masayoshi Sukita


 そろそろライヴも終盤に入り、7曲目からはクラプトン・バンド時代の代表曲が2曲続く。躍動感溢れるギター・リフを利かしたスゥインギーな「Lay Down Sally」、8曲目の「Can't Find My Way Home」はブラインド・フェイスの代表曲で、クラプトンとのデュエットでも知られる。イヴォンヌの情感に満ちたギターの弾き語りは、深い感動を誘う。

 9曲目の「HAWAII」は、'73年のソロ2作目のアルバムに収録された自作曲。イギリスから故郷ハワイを想う、切ない心を描いた作品。10曲目はお気に入りのトム・ペティのナンバー「Breakdown」だ。

 ラスト2曲は、世界的なスマッシュ・ヒットとなったポップ・チューン「Love Me」、そして全米シングルチャートで第1位を記録した「If I Can't Have You」。気がつくと、瞬く間に2ndセットの全12曲が終了。いよいよ日本公演、最後のアンコール曲に突入する。

 客席からの呼び声に、再びステージに立ったイヴォンヌのギターが奏でたのは、なんとボサ・ノヴァの名曲「Girl From Ipanema(イパネマの娘)」のイントロ! イヴォンヌのボッサの弾き語りが生で聴けるんなんて! これぞライヴの醍醐味。淡いギターの旋律、甘美なヴォーカルに包まれながら、ステージは静かに幕を閉じた。

 ライヴ終了後は、写真撮影やサインなど、気さくにファンと交流していたイヴォンヌ。年齢を重ねても、変わることのない豊かな表現力と、スケール感溢れる歌唱力……永遠に忘れられない一夜になった。(Text by Kiyo Misao)


(C)Masayoshi Sukita


協力:Just Enterprise Co.,Ltd./Sukita Ltd./COTTON CLUB
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