リサーチ

【レーベル研究】〜イルマ・レコード(IRMA RECORDS)

2007/07/20掲載
MyCDJ お気に入りリストに「」を追加/削除する はてなブックマークに追加
イタリア〜ンに伊達&キザな佇まいにて、世界へ良質なダンス・ミュージックを発信し続ける“IRMA RECORDS”。設立から現在へと至るその歴史にズームイン! アゲアゲな貴方もジャジーなちょいワルも注目ですよ!
 IRMA RECORDSの歴史は1989年、パゾリーニ生誕の地としても知られるイタリア北部の街、ボローニャに始まります。設立当時事務所に使っていたビルは、その昔“Irma Casa Di Prim' Ordine”(“Irma First Class House”の意)という名の知れた売春宿だったそうな。そこの女主人、Irmaが、レーベル名の由来となっています。狭山茶とは何の関係もありません。ロゴにあしらわれている、おみ足をチラつかせ、不敵な微笑を浮かべた女性がその人なのでしょう。イタリア男のパブリック・イメージもとい偏見、パゾリーニ、売春宿と来て、「『Sex and the City』のサントラ・シリーズをリリースしている」とだけ言ったら、ちょっぴりエッチなレーベルなの……? と思われるかもしれません。が、当初のIRMA recordsについて言うならば、それはあながち間違ってはいないでしょう。


IRMA JAPANとワーク・ウェアの老舗人気ブランドCarhartt(カーハート)のダブル・ネーム TシャツをCDJournal.com読者の方計3名さまにプレゼント!コチラをごらんください。


 1980年代後半といえば、イビサ、アシッド・ハウス、セカンド・サマー・オブ・ラブといったキーワードで語られる、米シカゴのゲイ・カルチャーから生まれたハウス・ミュージックが世界中の土地土地で花開いた時期。イタロ・ディスコでアゲアゲというかイケイケなイタリアに、その熱狂が浸透するのにそう時間がかからなかったであろうことは想像に難くありません。イタリア人なりのいじくり方でエレクトロニクスを使用し、ジョルジオ・モロダーに代表される独特のハンマー・ビートを持つイタロ・ディスコが、ハウスのファンクネス、グルーヴによってアップデートされます。まんまですが、イタロ・ハウスと呼ばれるジャンルの誕生です。

 初期のIRMA RECORDSはこのエッチくさいイタロ・ハウスの名盤を数多くリリースし、枢軸としてシーンを支えました。中でもClaudio “Moz-Art”RispoliとKekko Montefioriという2人のプロデューサーの活躍は特筆すべきものがあります。Soft House CompanyやKeys & Tronics Ensembleといった名義で制作された作品は、Francois Kevorkianから、フランキー・ナックルズトニー・ハンフリーズ、そしてかの故ラリー・レヴァンまでがスピンし、世界中で大ヒットしました。先日発売されたハシエンダ全盛期をイメージして制作されたピーター・フックニュー・オーダー)コンパイルのmix CD『HACIENDA DJ CLASSICS VOL1 PETER HOOK:THE EARLY YEARS』にSoft House Companyが収録されていることからも、世界に与えたインパクトが想像できます。その後、熱も一時ほどではなくなった頃、イギリスで勃発したアシッド・ジャズの影響を強く受け、IRMA RECORDSはジャズ・テイストな作品が増えていきます。

 世界的にダンス・ミュージックはジャズ、ファンク、アフロ、ブラジル等をミックスしたり、踊ることをも主眼としていないチル・アウトと呼ばれるジャンルが登場したりと、バレアリックなものが主流となりつつあり、そういった中で勢力的にリリースを続けたIRMA RECORDSは再び中心的な役割を果たすこととなります。現在のIRMA RECORDSのカラーはこの時期にBOSSA NOSTRAや前述のClaudio Rispoli率いるJESTOFUNK、LTJ X-PerienceDJ Rodriguezらが築いた礎の上にあるといって良いでしょう。


 


 より洗練された音楽性と、ニーズに応じたサブ・レーベルによりファン層は急速に拡大。多数のハイ・クオリティなコンピレーション・シリーズを連発し、世界各地に窓口を広げたIRMA RECORDSは、ELMIOやKALEIDO、PASTABOYS、そしてFreeTEMPOi-depParis Matchといった日本人アーティストを世に出しました。

 ここ日本でもIRMA JAPANが設立、その第1弾リリースとして今後予定されているアーティストの楽曲を先行収録したレーベル・サンプラー『PLAYLIST 001』を名刺代わりにドロップ。さらには日本人アーティストとしては初のフル・アルバム『MORNING LIGHT』(写真右)をリリースした松下昇平率いるM-SWIFT(写真左)らによって、ますます元気に!これからもまだまだ盛り上がりそうです。

●IRMA RECORDS : http://www.irmagroup.com/

●IRMA RECORDS JAPAN : http://www.irmagroup.jp/
※ 記事は掲載日時点での情報をもとに書かれています。掲載後に生じた動向、および判明した事柄等は反映しておりません。ご了承ください。
全メディア/タイプ 最新リサーチ
 
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] ふっと飛び込んでくるワンフレーズ “現場の音楽”HIT『Be!!』[インタビュー] 深くて豊かな音楽を目指した“名盤” 石橋 凌『may Burn!』
[インタビュー] 私は変わり続ける。それは“出会い”を意味しているから――コリーヌ・ベイリー・レイ[インタビュー] 美しさと暴力性、Ramzaの“手”に触れる『pessim』
[インタビュー] 自分の存在を“やり続けること”で知らせる――ISSUGI×MASS-HOLE[インタビュー] ヒップホップとしてかっこよくいられたら――C.O.S.A.『Girl Queen』
[インタビュー] 今のラフィンノーズは超おもしろい――“50代のラフィンロール”を体現した新作『50’s ROLL』[インタビュー] 自分の中にある伝統と革新―― 島 裕介が新世代ミュージシャンを率いて『Silent Jazz Case 3』を発表
[インタビュー] たまには母ちゃんにみたらし団子を買ってかったりしぃや!――SHINGO★西成が3年をかけて辿り着いた『ここから・・・いまから』[インタビュー] “大人ってカッコいい”と思えるような歌 ISEKI×中田裕二『AOR FLAVA』
[インタビュー] 研ぎ澄まされた4人のアンサンブル――ライヴ・ベスト・アルバム『echoes』をリリースしたbohemianvoodoo[インタビュー] 児玉桃、マンフレート・アイヒャーとの出会いとドビュッシー&細川俊夫の音楽を語る
※ 弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015