11月末に東京・豊洲PITにて行なわれた来日公演では、そのミラクルヴォイスと魅惑的パフォーマンスで会場中を釘付けにしたキャロライン・ポラチェックのニュー・アルバム『Desire, I Want To Turn Into You』が、米Pitchfork「2023年の年間ベスト・アルバム TOP50」の2位獲得に続き、「読者投票：2023年ベストアルバム50」（Readers Poll: 50 Best Albums of 2023）でも1位を獲得。英DIY magazine「Top 20 Albums of the Year」や英DORK magazineの「Top 50 Albums of 2023」でも1位にランクイン、そして英i-D magazine「The 100 Best Songs of 2023」ではアルバム収録曲「I Believe」が1位を飾るなど、その人気ぶりを証明しています。

　11月3日にフィジカル・リリースされた『Desire, I Want To Turn Into You』は、ポラチェック自身と、英国人プロデューサーのダニー・L・ハール（リナ・サワヤマ、フルーム他）の2人による共同プロデュース作。多幸感にあふれるヒット曲「Welcome To My Island」や、風変わりで難解な「Bunny is a Rider」、フラメンコにインスピレーションを受けたという「Sunset」、そしてコーラスの名曲「Billions」などが収録され、ポラチェックのクリエイターとしての地位を確立させ、エクスペリメンタル・ポップの名盤『Pang』の実験性を引き継ぎつつも大きく飛躍した内容となっています。

　フジロック23に続く来日となる豊洲PIT公演は、華奢な身体からは信じられないほどの雄たけびで幕開けるアンセム「Welcome To My Island」で始まり、一気に観客のテンションを上げて開放。早くも2曲目でシンガロングが起こった「Hit Me Where It Hurts」や荘厳なバラード「Parachute」、アンコールの「Door」など、前作『Pang』からの楽曲を交えつつ、『Desire, I Want To Turn Into You』収録曲の全曲を披露。圧巻の歌唱力、個性的なポージング、野性的なダンスなど、そのすべてがチェアリフト〜ラモナ・リサ時代から進化したパフォーマンスで会場を圧倒しました。

　なお、この日のセットリストのプレイリストがSpotifyにて公開されています。