1970年代ニューヨークの場末にあった小さなバー「CBGB」が、パンク / ニューウェイヴの震源地へと変貌していく過程を描く音楽伝記ドラマ『CBGB ニューヨーク、PUNKが生まれた場所』が、10月23日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて公開となります。これに先駆け、
ランドール・ミラー監督のオフィシャル・インタビューが到着。あわせて、10月15日(木)に舞台挨拶付き先行上映会がシネマート新宿にて実施されることも発表されました。
犯罪率が高く荒廃した、NYはロウアー・イーストサイドの片隅にあった、誰も気に留めない小さなバー。後に世界の音楽史を揺るがす伝説的ライヴハウスとして名を刻む“CBGB”です。創設者ヒリー・クリスタルが掲げた「オリジナル曲のみ」という異例のルールが、行き場を失っていた若いロック・バンドを引き寄せ、
テレヴィジョン、
パティ・スミス、
ラモーンズ、
ブロンディ、
トーキング・ヘッズという後にロック史を塗り替える面々が、この小さなステージに立ちました。壁の落書き、剥がれた壁、汚れたトイレ、天井の水漏れ。混沌とした空間は、後にレジェンドとなる若者たちが自分の声を見つける“実験場”として機能し始めます。同時期に誕生した自主制作カルチャー誌『Punk Magazine』もまたCBGBと密接に結びつき、音楽・アート・文章が渾然一体となった“パンク文化”を形づくっていきました。
監督を務めるのは独立系作品で知られるランドール・ミラー、主人公ヒリーを演じるのは『
ハリー・ポッター』シリーズのスネイプ先生役で知られる
アラン・リックマン。ヒリーの頑固さと不器用な情熱を独特の存在感で体現し、混沌と偶然と情熱が交差し、パンク / ニューウェイヴが形づくられていく瞬間を鮮やかに描き出します。
今回到着したランドール・ミラー監督のオフィシャル・インタビューによると、監督が『CBGB ニューヨーク、PUNKが生まれた場所』の企画に着手したとき、最初に心にあったのは「この場所には必ず人間の物語がある」という確信だったとのこと。「何を描くべきか明確ではなかったが、CBGBには語るべきストーリーがあると分かっていた」とも語っており、その中心にヒリー・クリスタルという人物を据えたことで、映画の方向性が一気に定まったと言います。
監督が見つめたのは、CBGBの歴史を単なる音楽史としてではなく、“一人の男の選択が文化をどう動かしたか”という視点。「ヒリーはカントリー/ブルーグラスの店を作ろうとしただけだったのに、結果的にパンクのゴッドファーザーになった。そこにこそ物語がある」と監督は強調します。この“意図せざる変貌”こそが、監督が最も描きたかった部分。重視したのは、CBGBを「国際的な音楽の震源地」としてだけでなく、「アーティストが行き場を失ったときに辿り着く場所」として描くことでした。監督は「ラモーンズやブロンディ、トーキング・ヘッズは、他に演奏できる場所がなかった。ヒリーが彼らにステージを与えたことがすべての始まりだった」と語っています。
また、制作面では、当時の空気を再現することに徹底的にこだわったとのこと。ボウリーの街並みを現地で再現することが難しかったため、セットはジョージア州サバンナに構築。「壁の落書き、天井の配線、実際の電話帳やレジスターまで、細部にわたって忠実に復元した。俳優たちがその空間に立った瞬間、70年代のCBGBが蘇った」と監督は振り返ります。
キャスティングについても強い手応えを感じており、特に
デッド・ボーイズのステージ再現では、「俳優たちが跳ね回る姿は本当に電気が走るようだった。当時のエネルギーがそのまま現場に流れ込んだ瞬間だった」と語り、撮影現場に満ちた熱量を印象深く述べました。監督自身、テレヴィジョンをはじめとする当時のバンドに深い愛着を持ち、映画には彼らの楽曲を複数使用しているとのこと。また、「フレイミン・グルーヴィーズのように、当時正当な評価を受けなかったバンドにも敬意を示したかった」と語り、音楽選定に込めた思いを明かしています。
CBGBという場所は、偶然と情熱が交差し、無名の若者たちが未来を切り開いた空間。監督が描こうとしたのは、その中心に立っていたヒリー・クリスタルの選択が、どのように文化を動かしたのかという一点。「ヒリーの選択がなければ、あの革命は起きなかった。彼の物語こそが映画の骨格になった」と監督は締めくくります。その視点が、映画『CBGB ニューヨーク、PUNKが生まれた場所』全体の骨格を形づくっています。
なお、10月15日(木)に開催される舞台挨拶付き先行上映会には、ランドール・ミラー監督と脚本・プロデュースを手掛けたジョディ・サヴィン、そして音楽評論家の鳥井賀句が登壇します。チケットは、10月9日(金)18:00より劇場オンラインにて販売開始。詳しくは、劇場HPをご確認ください。
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