この“CBGB”は、なぜ“パンクの聖地”と呼ばれるようになったのか――。正式名称を「CBGB & OMFUG」といい、前半は“Country, Bluegrass and Blues”、後半は“Other Music For Uplifting Gormandizers”の略とされています。ヒリー・クリスタルは当初、カントリー、ブルーグラス、ブルースのライヴハウスとして店を構想しましたが、実際にはそのジャンルのバンドが集まらず、「オリジナル曲を演奏するロック・バンドの受け皿」として機能するようになりました。店はニューヨーク市マンハッタンのボウリー地区に位置し、当時はホームレスやドラッグ中毒者が多く、治安の悪いエリアとして知られていた場所。店内は狭く、トイレは悪名高いほど汚く、天井や壁は落書きとポスターで埋め尽くされていましたが、その「汚さ」こそが、既存のロック産業からはみ出したバンドや観客にとっての居場所となっていきました。