さる5月13日(火)、映画『ぼくたちの家族』(5月24日公開)の日本外国特派員協会試写会が開催。会場には、会見直前に作品を鑑賞した記者約100名が待つ中、本作の主演をつとめた
妻夫木 聡、
池松壮亮、そして
石井裕也監督の3人が登場。盛大な拍手によって迎えられた3人は、「日本の家族がテーマとなっている作品を海外の人々がどう捉えるのか、楽しみにしていた」と、会見を開くことができた喜びを語りました。
記者からの質問の中でも、やはりメインで質問に上がるのは“日本の家族”というテーマ。そもそも、なぜ今回“家族”というテーマでの映画作りを思いついたのかについて石井監督は、「良くも悪くも、家族というのは、今の日本社会の縮図になっていると思うんです」と、石井監督。「家族=日本社会ということは、今、日本で家族と共に暮らしている自分自身に向き合うということにもつながると思うんです。20代最後の総決算として、この映画を撮らなければならないと思いました」と語る。
また、妻夫木は、「人って、やっぱり理想の家族に向って進もうと頑張るけど、完璧な家族なんてどこにもいなくて。どこかに何かしら問題を抱えていると思うんです。でも、この映画に参加させていただいたことで、“それでもいいんだ”と言ってもらえた気がしまして……救われました」と、演じた側からの気持ちを明かしています。
また今回〈モントリオール世界映画祭〉への出品が決定、意気込みを聞かれると「行きたいですね!」と、妻夫木は興奮気味にコメント。「この映画、本当に大好きな作品なんです! 描かれているテーマも日本の家族というところで、海外の人がどんな反応なのか、気になりますね」と言いつつも、まだ参加については言葉を濁す様子に、池松は「兄貴(妻夫木)が行かないなら自分も行かない」と会場の笑いを誘いながら、「作り手側にも家族がいて、映画を観る側にも家族がいて。その家族のつながりが、海外ではどうやって広がっていくのか、楽しみだと思います」(池松)。石井監督は、「海外という外の世界から日本を見つめ直す、いい機会になると思います」とコメントしています。