大盛況となった主催イベント〈うたの日コンサート〉に続き、デビュー25周年を迎えたBEGINが新作『ビギンのマルシャ ショーラ』発売を記念したフリー・ライヴを7月5日（土）、埼玉県越谷市のショッピングモール「レイクタウンアウトレット」特設ステージで行ないました。

　スタッフですら何年ぶり？ と首を傾げるほど久々の出来事となったBEGINのフリー・ライヴ、彼らが今取り組んでいるブラジル音楽“マルシャ”を体感できる貴重な機会に。

　当日はあいにくの雨模様も、ライヴは決行。「距離は一番遠いけど気持ち的には一番近い国がブラジルなんだと思います。100年以上も前に日本からわたった多くの移民の皆さんもマルシャという音楽を聴いていたそうです。今日は、みんなで体感してください」とのMCから、今回は楽曲を全てマルシャ・ヴァージョンで演奏。いきなりの「島人ぬ宝」からはじまり「三線の花」「オジー自慢のオリオンビール」など、ノンストップで歌いっぱなし＆弾きっぱなし。雨脚が強くなる中、メンバーの比嘉栄昇（vo）がステージから身を乗りだし、お客さんと同じように濡れながら会場を盛り立てる場面も。


　前半のノンストップなパフォーマンスについては、「“音楽を止めない”ってことをやってみました。石垣のお祭りの時は音は絶対に止めない。例えば三線の達人たちは“お昼御飯を誰かに食べさせてもらいながら弾いてるってくらいだ”って教わったけど、いつの間にか忘れていた。ブラジルに行ってそれをもう一回教わった。音を止めなければ何かが起こるんだって。サンバでも音を止めずに躍り続けていれば、疲れるんじゃなくて、逆に元気になる。その時、その空間がひとつになって、体がフワッとしてくるんだよね」と語り、マルシャの特徴を解説。

　「最後の曲になりました」「マルシャだから20分あるけど。そこを忘れないで！」との言葉からステージは後半に突入、日本と沖縄のスタンダード・ナンバー「安里屋ゆんた」「月がとっても青いから」、さらには「笑顔のまんま」「涙そうそう」と繰り出し、みんなが縦横無尽に揺れ、歌が湧き上がるという、BEGINが『ビギンのマルシャ ショーラ』を通して描こうとしていた“ひとつの空間”がここに生まれました。

　鳴り止まないアンコールの中、新曲「バルーン」と再び「島人ぬ宝」を熱唱したBEGIN。気がつけば予定時間はかなりオーバー、約3,600名が集まった熱狂のフリー・ライヴを「親子そろって、ずぶ濡れなライヴもなかなかないけど、これも音楽の力です。これからも音楽を楽しみましょう！」と締めくくりました。