ギタリストの
ビル・フリゼール(Bill Frisell)が、ブルーノートからは3枚目となる新作アルバム『
フォー』を11月11日(金)に発表します。名プロデューサーの
ハル・ウィルナーに捧げた収録曲「ワルツ・フォー・ハル・ウィルナー」が公開中です。
アルバムは、グレッグ・タルディ(sax,cl)、
ジェラルド・クレイトン(p)、
ジョナサン・ブレイク(ds)という変則カルテット編成で収録。このアイディアはコロナ禍以前からすでに存在しており、フリゼールはパンデミック中に楽曲やアイデアの断片を創り上げました。セッションについてとくに細かな決め事はしていなかったというフリゼールは、今回のレコーディングについて「みんな僕が持ってきた曲やアイディアは知っていたけれど、誰がいつ何を演奏するかということに関しては、すごくオープンだったんだ。ベースがいないのはちょっと怖かったけど、編成のことはあまり考えなかった。いつも化学反応の方が大事なんだ。このアルバムは、僕ら4人が集まってプレイした最初の瞬間を捉えているから、ライヴで演奏するとまた違うものが生まれるだろうね」と語っています。
収録曲は新旧織り交ぜたフリゼールのオリジナル13曲。パンデミック中に大切な友人を亡くすという経験を何度も経験した後のレコーディングだったこともあり、全編にわたりメランコリックなせつなさをはらんでいます。亡くなった幼なじみのアラン・ウッドワードに捧げた「ディア・オールド・フレンド」、同じく亡くなった友人であり画家に捧げた「クロード・アトリー」、そして2020年に亡くなった稀代の名プロデューサー、ハル・ウィルナーに捧げた「ワルツ・フォー・ハル・ウィルナー」など、いずれもコロナ禍でフリゼールが経験した苦悩が美しく昇華された必聴の仕上がりとなっています。