2枚のアルバムを発表した後、1975年に夭折した米・カリフォルニア出身のシンガー・ソングライター、
ジュディ・シル(Judee Sill)の傑出した才能と、繊細で複雑な内面世界を、アーカイブ映像と関係者たちへのインタビュー、そして彼女が描いた絵を元にしたアニメーションで構成し、その波乱万丈な生涯を追うドキュメンタリー映画『ジュディ・シル 贖罪のシンガーソングライター』が、東京・アップリンク吉祥寺で10月23日(金)から、東京・恵比寿 YEBISU GARDEN CINEMAで10月30日(金)から公開されます。
1944年生まれのシルは、幼い頃に父と兄を亡くし、母の再婚相手から虐待を受けて10代で家出。ドラッグにハマり、更生施設でゴスペルやバッハの音楽と出会ってオルガンを学びました。アサイラム・レコードから『
ジュディ・シル』(1971年)でデビューし、続く『
ハート・フード』を1973年に発表。両作とも高評価を得たものの、商業的な成功には至りませんでした。1974年に交通事故にあい、その後、3rdアルバム制作を目指しましたが完成せず、身体の痛みに耐えかねてふたたび始めたドラッグにより、1979年にオーバードーズで亡くなりました。2005年には、3rdアルバムに向けたデモ音源などを
ジム・オルークがミックスした未発表曲集『
ドリームズ・カム・トゥルー』が発売されています。
監督のブライアン・リンドストロームとアンディ・ブラウンは、9年間かけて集めた日記や楽譜、当時の記事、アーカイブ映像や写真といった膨大な資料を駆使し、さらに彼女の直筆の絵をアニメーション化し、ジュディの内面の世界を表現しました。映画には、彼女と同世代のミュージシャンである
ジャクソン・ブラウン、
グラハム・ナッシュ、
J.D.サウザー、
リンダ・ロンシュタット、彼女から影響を受けた若い世代のナタリー・メーリング(
ワイズ・ブラッド)や
ビッグ・シーフ、
フリート・フォクシーズらがジュディの音楽の魅力と人物像について、それぞれの視点から語っています。