1980年代初頭、激動の西ベルリンの音楽シーンを席巻した女性バンド、
マラリア!(Malaria!)の初期6作品が、ドイツのニューウェーヴ作品を中心に、日本のカルトなアーティストまで、知られざる名盤を世に出し続ける日本の「SUEZAN STUDIO」より一挙復刻。第1弾リリースとして、『
ファースト』『
ニューヨーク・パッセージ』『
ホワイト・ウォーター』の3作が10月2日(金)にリリースされています。
アインシュトゥルツェンデ・ノイバウテンにも初期に参加したふたりの女性ミュージシャン、ベッティナ・ケスターとグドルン・グートが、“
マニアD”の後身バンドとして、新たなサウンドを追求して結成したのがマラリア!。焦燥と情念が渦巻き、既成概念にとらわれない彼女たちの楽曲は、まさしく当時の西ベルリンの特異で不穏な空気そのまま。
1981年に発表されたデビュー作『ファースト』は、のちに正式メンバーになるドラマー、クリスティーン・ハーンをゲストに迎えた3人編成で制作されたミニ・アルバムで、代表曲「ユア・ターン・トゥ・ラン」の原曲なども収録。今回の再発にあたり、当時のライヴ音源も新規追加収録されています。
翌年、クリスティーン・ハーンに加え、マノン・ドゥールシュマ、ズザンネ・クーンケも迎え、女性5人組のバンドとなって発表されたEP『ニューヨーク・パッセージ』には、代表曲「ユア・ターン・トゥ・ラン」をはじめ、母国の西ドイツが負った重い歴史をテーマにした「ドゥッシェン(シャワーを浴びろ)」など、3曲を収録。この作品はタイトルのとおりマラリア!が渡米しニューヨークでレコーディングされ、「キャシャロット・レコード」からリリースされた米国デビュー作でもあります。前作のテイストを踏襲しながらもエレクトロを大胆に取り入れ、よりアップ・テンポでストレートな作風へと深化したマラリア!の代名詞的作品。ジャケットの写真は、ファッション誌『ヴォーグ〉などで活躍するニューヨーク在住の写真家、エド・ベルトグリオによるものです。
そして今回初CD化となる『ホワイト・ウォーター』は、欧米各国でツアーを行ない、
ニュー・オーダーのサポート・アクトを務めたりするなど、活躍の場を広げていた彼女たちがベルギーでのツアーの際に立ち寄ったブリュッセルでレコーディングし、クレプスキュールから1982年にリリースした12インチEP。A面曲「カルテス・クラーレス・ヴァッサー(冷たく澄んだ水)」はスタジオで自然発生的に生まれた曲だといわれていますが、ライヴの際には毎回といっていいほど演奏される代表曲となりました。またB面曲の「ホワイト・スカイ・ホワイト・シー」の全長版での再発は、オリジナル・リリース以来、今回が初となります。CD化にあたり、同年にクレプスキュールからリリースされた7インチ・シングル「ハウ・ドゥー・ユー・ライク・マイ・ニュー・ドッグ?」の2曲も追加収録(B面「Pernod」は初CD化音源)されています。
SUEZAN STUDIOのYouTubeチャンネルでは、「カルテス・クラーレス・ヴァッサー」のPVも公開中です。
今回の再発企画はSuezan Studioの発案で2025年から始動するも、残念ながら2026年3月にベッティナ・ケスターが逝去したため、いちど中断に。しかし、もうひとりの創設メンバーのグドルン・グートとともに企画が再開され、実現に至りました。今回発売された3作は、すべて2026年版最新デジタル・リマスター音源を使用しています。
第2弾リリースの『
ビート・ザ・ディスタンス』『
再訪』『
エモーション』は、11月20日(金)にリリースされます。
(※写真は、『ニューヨーク・パッセージ』のジャケット)