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山崎昭典とdrowsinessによる“AD”、鈴木昭男と安田敦美を迎えた『Ta Yu Ta I』をリリース

AD(山崎昭典 x drowsiness)   2023/02/22掲載(Last Update:23/03/06 13:32)
山崎昭典とdrowsinessによる“AD”、鈴木昭男と安田敦美を迎えた『Ta Yu Ta I』をリリース
 京都在住の音楽家である山崎昭典とdrowsinessによるプロジェクトADが、鈴木昭男と安田敦美をフィーチャーして放つAD(山崎昭典 x drowsiness)feat. 鈴木昭男、安田敦美『Ta Yu Ta I』が3月18日(土)にレーベル「Hören」よりリリース。あわせて、翌19日に鳥取県立博物館講堂(入場無料 / 別途観覧料)でのライヴも発表されています。

 ADは、2020年3月に鈴木昭男のイベントにオープニングアクトとして出演後、東京と京丹後にてレコーディングを行なったことにより始動しました。山崎昭典は、鈴木昭男のアシスタントを務めたこともあるギタリスト/作曲家で、「Hören」からは2005年にリーダー作『RED FIELD』をリリース。一方drowsinessは、同名義で2011年より始動。80年台のエフェクターやギターを用いてリズミカルかつポリリズムな唯一無二の音の世界観を創出する孤高のギタリスト、コンポーザー。国内外の展覧会や美術館などでのパフォーマンスや国内外の企業や映像作品への楽曲提供、コラボレーションなど精力的に活動しています。

 本プロジェクトでは、出自の異なる2人のギタリストが生み出す、洗練されたアコースティック・サウンドに独特のエフェクティヴなエレキギター・サウンドを重ねた唯一無二のサウンドが味わえます。さらに本アルバム『Ta Yu Ta I』にはサウンドアーティストの鈴木昭男、シンガーの安田敦美が融合。たゆたい、流れ出すゆるやかな音世界が広がります。アートワークは、画家の中山晃子が手掛けています。

 また、本アルバムのリリース翌日となる19日(日)に、鳥取県立博物館講堂(入場無料 / 別途観覧料)にて同日14時からライヴ〈音とダンスのパフォーマンス「Ta Yu Ta I 」〉が実施されます。このパフォーマンスは、同博物館が令和元年に立ち上げた「シリーズ・美術をめぐる場をつくる」の第4弾「感じる―鈴木昭男と宮北裕美のありかた」の一環。鈴木昭男、ダンサーの宮北裕美、山崎昭典、安田敦美、drowsinessで結成される“H2AD” により、ライヴ・パフォーマンスが行なわれます。詳細は鳥取県立博物館のホームページをご確認ください。

[コメント]
声、笛、弦、木、金属、それぞれの音が物質から放たれたときに生まれる温度を耳に感じる。
音同士の混ざりはまるで、口の中で氷が溶けてゆくような、瞼に感じる太陽の温もりのような。
特別で自然な現象が聴こえる。

――中山晃子

[解説]
石は大声で息をつき、鳥は冷たい池の表面すれすれに飛び、沈黙の中に舞い上がる。
そして夜。孤独な旅人が声を上げる。風がその声を拾い、松葉をなぞって運び、言葉は風となる。流されて詠唱となり、魔力が澄んだ空間に集結する。
旋回する呪文、日向で干された服のように乾いた、円、感動を呼び起こす感覚、葉の間を縫って降ってくる雨の懐かしさ、記憶に戻っていく。
発芽する種子。歓喜が昂まるのが聞こえる。泣き悲しむ音、闇で光る猫の目、毛皮に光があたり、徐に深い静寂へと歩み寄る。
洞窟の笛は空中で留まり、ゆっくりした鶴の足取りはかろうじて地面に触れ、翼を持ち上げて踊る。
つららが落ち、魔法が集まる、太陽の空間。

――デヴィッド・トゥープ(音楽家/著述家/サウンド・キュレーター)

この音楽はどこからやってきたのだろうか、そして、どこへ帰っていくのだろうか、という思いが去来する。
なんという時間の流れだろう。
もちろん、これはある時間と空間を共有した演奏家たちによる音楽であり、このいま、聞こえている音楽でもある。
そして、それは空間に発されれば、どこかへ消え去ってしまう。
しかし、この音楽がいつかどこかの時空を超えてやってきて、現在と交差し、そして未来に去っていくものだと考えることはできるだろうか。
この音楽が流れ始めると、たしかに、時空は一変する。時間は進んでいくというよりも、垂直に立ち上り、渦を巻きはじめる。
音楽というには組織化されていない。かといって、無秩序なノイズなのでもない。なにかの起源を見るような体験だ。
そして、それはまたどこかへと去っていった。

――畠中実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 主任学芸員)

ここで鳴っている異様なまでに音の粒立ちと分離の良い音楽に私は、巷に溢れている いわゆる「ambient」という括りのものとは全く異質な[音触り]を感じた。
安易なBGM としての「癒し」やら「安らぎ」とは無縁であり、むしろそういった聴かれかたをさりげなく拒み、ファンタジーではなくもっと本能的な怖さと厳しさを私に感じさせた。
それは、これからの私達が耳を傾けるべき音だと思う。

――(美術家/オプトロン奏者)

4人の奏でるこの音楽が、ニューエイジやアンビエントとカテゴライズされるものと一線を画する、ということは間違いない。
それは冒頭の鈴木昭男氏による、能楽を想起させる笛の音色の推進力によってまず明示される。
まるで、音自身が逞しい意志を宿らせたかのように、傾聴する我々の耳と意識を叩き起こし、楽曲へと誘導する。
もしも、聞く者がうかうかと“聴いてなかった”ら、心地良いキレイな音でしかない音、それは実は、毒にも薬にもならない、どころか、毒のある音。
毒は徐々に委ねられた耳と意識を刺激し、眠ったまま覚醒するように、あるいは自覚的に催眠術に晒されるように、聴く者を音楽の奥深くまで誘い込む。
そして僕は最後まで深く聴き入った。
まんまと彼らの術中にハマったわけだが、とても良い時間を過ごさせてもらったことに感謝したい。
耳を洗う音楽。

――内橋和久(ギタリスト/ダクソフォン奏者/作曲家)

「海の京都」と呼ばれる京都府北部は、祖父母を訪ねてよく訪れた思い出深い地。
石笛の音に、はっとその地を想起させられた。まだ古い神話なんかを今よりリアルに感じた子供の頃の景色が巡る。
インスピレーションとは、人が過ごしてきた全ての時間という岩盤から滴る点滴の事を言うのだと勝手に思っている。
ここには多分「丹後」という地層で濾過された水が流れている。
非数学的な音が重なり、水の潺となる。
この地の日常的な自然の音が、能動的な「聴く」という姿勢によって作品として切り取られたものに感じられる。
ギターは恰もそこに「人」の存在を示すかのようである。
人工物としての存在感を放ちつつも他の音像と呼応する様は、付かず離れず自然と共生する人の営みの象徴にも思えた。
ふと作庭における「見立て」という言葉が過った。
「庭」とは実際の自然の模写ではなく、風景を咀嚼し、作者自らの心象を投影したものであるべきらしい。
録音された作者の「聴く」は、受け手の「聴く」により更に無限に変化するだろう。その意味で、我々もまた音の紡ぎ手となるのだ。

――山田唯雄(クラシック・ギタリスト)

■2023年3月18日(土)リリース
AD(山崎昭典 x drowsiness)feat. 鈴木昭男、安田敦美『Ta Yu Ta I』

[収録曲]
01. 祝吹 Shukusui
02. 潺 Seseragi
03. 時乃器械 Time Machine
04. 芽吹 Mebuki
05. 庭楽 Teiraku
06. 紡奏士 Bōsōshi


シリーズ・美術をめぐる場をつくる4「感じる―鈴木昭男と宮北裕美のありかた
日時: 2023年3月19日(日)14時〜
場所: 鳥取県立博物館講堂
pref.tottori.lg.jp/308022.htm

鳥取県立博物館公式サイト:
pref.tottori.lg.jp/museum
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