中でも象徴的な楽曲として知られる「Smokebelch II」は、4分強の牧歌的な傑作であり、元はNYのハウス・プロデューサー、レイモンド・ブッカーがThe Prince Of Dance Music名義でリリースした「New Age of Faith」のカヴァー。「あれはShoom(ロンドンの伝説的クラブ)でよくかかっていた曲で、アンドリューも大好きだった」とクーナーは述懐。バーンズは「シングルにするつもりはなかった」と言うものの、「アンドリューがアセテート盤を持ってブライトンのクラブでかけたら、フロアが熱狂した」とのこと。
1994年には、クーナーとバーンズがプライマル・スクリームの〈Give Out But Don’t Give Up〉ツアーに帯同し、セイバーズとしてのライヴ活動を開始。その後スタジオに戻り、『Haunted Dancehall』の制作に。「Tow Truck」や「Wilmot」のデモを仕上げ、さらに旧曲「Theme」を再構築しました。「Theme」は1994年のイギリス映画『Shopping』用に書かれた、力強くシンフォニックなジャズ・ファンク曲です。
また、リリースに合わせて実に30年以上ぶりとなるツアーの開催も発表されています。ジャグズ・クーナーは「アルバムを再紹介したいし、できればフェスティバルのような場で若い世代にアンドリューのレガシーをさらに定着させたい」と言い、「彼らにThe Sabres Of Paradiseの真価を体験してもらいたい。そして、僕たちが30年前に作った音楽に、新たなファンを惹きつけられたらいいと思っている。彼らの多くは当時まだ生まれてすらいなかったかもしれないけどね」とコメントしています。