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小田和正、〈みんなで自己ベスト!!〉ツアーに幕 78歳で全国アリーナ・ツアーを完走した唯一無二のアーティストに

小田和正   2025/10/02 12:06掲載
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小田和正、〈みんなで自己ベスト!!〉ツアーに幕 78歳で全国アリーナ・ツアーを完走した唯一無二のアーティストに
 小田和正が、2025年5月よりスタートした全国ツアー〈明治安田Presents KAZUMASA ODA TOUR 2025「みんなで自己ベスト!!」〉のファイナル公演を10月1日(水)地元・横浜アリーナ公演にて開催しました。

 “史上最年長記録”となる77歳で巡る全国アリーナ・ツアーの最中、9月20日には誕生日を迎え、“78歳での全国アリーナツアーを完走した唯一無二のアーティスト”となった小田和正。当日は、国民的ヒット曲「ラブ・ストーリーは突然に」から、今回のツアーで初披露となる「その先にあるもの」、明治安田生命のCMソング「すべて去りがたき日々」などが披露され、アンコールの「Yes-Yes-Yes」では大合唱が起こる場面も。さらに、熊木杏里JUJUスキマスイッチ根本要STARDUST REVUE)、松たか子水野良樹いきものがかり)、矢井田瞳和田唱TRICERATOPS)と、親交のあるアーティストたちとともにダブルアンコールにも応えるなど、小田和正が築き上げてきた“音楽の絆”が体現された、歴史的な一夜となりました。

[ライヴ・レポート]
2025年10月1日――

 日本の音楽史に刻まれる夜となった。小田和正、78歳。シンガーソングライターとして半世紀以上にわたり第一線で走り続けてきたその人が、遂に全国ツアーのファイナルを地元・横浜アリーナで迎えた。

 本ツアー『明治安田Presents KAZUMASA ODA TOUR 2025「みんなで自己ベスト!!」』は、全国13都市28公演、延べ31万人を動員。77歳7か月で実施する全国アリーナツアーは、小田自身が2年前に打ち立てた記録を更新し、“史上最年長記録”という前人未踏の金字塔を打ち立てた。

 9月20日に誕生日を迎え、名実ともに「78歳での全国アリーナツアーを完走した唯一無二のアーティスト」として新たな伝説を築き上げたのである。この記録は単なる数字ではない。円熟を極めた歌声、心を震わせるメロディ、そして会場を埋め尽くす観客との一体感――世代を超えた小田の歌の力が、確かにそこにあった。そのクライマックスが、小田の地元、横浜アリーナで繰り広げられた。

 ライブがスタートする直前、会場の照明が落ち、スクリーンに小田の幼少期の写真が映し出される。金沢文庫にある実家の小田薬局前で無邪気に笑う幼少期の姿から、『自己ベスト-3』のジャケット写真を手に持ち、やがて映像は「自己ベスト島」のカラフルなアニメーションへと移り変わる。そこには、今回のツアーを共に駆け抜けてきたバンドメンバーたちが、愛嬌たっぷりのキャラクターとして登場。ギターやドラム、キーボードを手にした仲間たちが楽しげに動き回る様子が描かれ、観客にわくわく感と笑顔が広がっていく。まるでこれから始まる大冒険に誘われるような映像演出に手拍子と歓声が加わり高揚感が増してゆくー。そしてオープニング映像が終わるやいなや、イントロが流れたのは1991年の国民的ヒット曲「ラブ・ストーリーは突然に」。大歓声がアリーナを揺らす。

 観客は一斉に立ち上がり、横浜アリーナは一瞬にして総立ちとなった。続いて届けられたのは「wonderful life」。2016年にSUBARUのブランドCMソングとして広く知られる楽曲で、小田の澄んだ歌声と軽快なリズムが、横浜アリーナを爽やかな風で包み込む。観客はまるでツアーと共に新たな旅に出るような感覚に浸った。

 2曲目を歌い終えると、小田が「ありがとう「みんなで自己ベスト!!」は本日で終了してしまいます。明日からみんな自己ベストを更新し続けていってください!」と笑顔で挨拶。続いて長きにわたりサポートしてきたバンドメンバーによる“自己紹介コーナー”を展開した。長年ツアーを支えてきた仲間たちのユーモラスな自己紹介に、客席は大きな笑いと拍手に包まれる。緊張がほぐれ、会場の空気がぐっと温かくなる瞬間だった。

 メンバーの挨拶が終わると花道沿いのステージへ移動「夏の日」。透明感のあるメロディが夏の記憶を呼び起こし、観客は体を揺らしながら聴き入る。続く小田の真骨頂とも言える「woh woh」、「東京の空」で、切なくも力強い歌声がアリーナに響き渡ると、静寂の中、観客の想いが重なり、深い感動が生まれた。

 ステージはしっとりとした空気へと移り変わる。そして2005年に明治安田生命のCMソングとして広く親しまれた「たしかなこと」。多くの観客が目頭を押さえ、涙を流す姿が見られた。78歳となった小田が歌い上げる「たしかなこと」は、それぞれの人生を共有するかのように深い余韻を残した。そして「こころ」。2007年にフジテレビ系ドラマ『ファースト・キス』の主題歌として書き下ろされた名曲。

 ライブ中盤では、この30年間のコンサートで定番となっていた「全国ご当地紀行」の傑作選が流された。各地での旅先の様子や、地元ファンとのふれあいを切り取ったダイジェスト映像は、各地区で繰り広げられる小田の等身大の姿に観客は大笑い、会場の空気を温かく和ませた。長年のファンにとっては「これぞ小田ライブ」と言えるお楽しみコーナーであり、会場にたくさんの笑顔と笑い声が溢れた。

 ご当地映像が終わると、「その先にあるもの」を披露。2024年TBS系ドラマ『ブラックペアン シーズン2』の主題歌として書き下ろし、今回のツアーで初披露された新たなバラードだ。力強さと儚さが同居するメロディに、観客は静かに聴き入り、会場は静寂に包まれた。「風と君を待つだけ」では、爽やかで軽やかなリズムが広がり、再び会場の空気が上昇していく。さらに「Yes-No」が始まると、アリーナ全体から歓声と拍手が沸き起こり、観客は立ち上がって手を振りながらリズムに身を委ねる。続く「キラキラ」では、小田がマイクを片手に観客席を縦横無尽に練り歩き、アリーナの隅々まで観客に手を振りながら歌い上げた。ステージと客席の境界が消え、全員が同じ空間で音楽を楽しむ一体感が広がる。その熱狂の後に届けられたのは「言葉にできない」だった。語りかけるように歌い始めると、会場は水を打ったように静まり返った。観客はただ小田の声に身を委ね、ひとつひとつのフレーズを胸に刻み込むように聴き入った。

 いよいよコンサートも終盤。ここで披露されたのは「すべて去りがたき日々」。2024年、明治安田生命の企業CMのために書き下ろされた新曲であり、今回のツアーで初めて披露された。優しいメロディに人生の深みを感じさせる歌詞が重なり、観客は新たな名曲の誕生を確信するかのように聴き入った。そして本編最後を飾ったのは「君住む街へ」。伸びやかな歌声とともに、地元・横浜でのファイナルのステージはクライマックスを迎える。ステージ上の小田と観客の表情は、共に過ごした音楽の時間への感謝と喜びに満ちていた。終盤を終えても、会場の熱気と余韻は冷めることなく、ファンの拍手と歓声は止むことはなかった――。

 鳴りやまない拍手と「小田さん!」のコールに応えるべく、白いTシャツに着替えてステージに再登場。客席から一斉に大歓声が湧き上がった。アンコール1曲目は、オフコース時代のセルフカバー「愛を止めないで」。曲中盤には客席のあちこちから直径2メートル近い巨大なバルーンが放たれ、カラフルに舞い始める。観客が次々に頭上へと押し上げ、会場を飛び交う様子はまるで祝祭そのもの。小田はそのバルーンを見つけると、満面の笑みを浮かべながら力いっぱい客席へシュートし、ボールを受け取ったファンが大歓声を上げる一幕も。ファンと一体になって遊ぶ姿に、会場全体が温かい幸福感に包まれた。続く「Yes-Yes-Yes」では観客が一斉に手を振り、サビを大合唱。「hello hello」「今日も どこかで」では深く穏やかな声で感謝を込めて歌い上げ、最後は、メンバー全員でアカペラ「いつも いつも」を歌唱。大きな歓声と拍手が沸き起こった。

 ステージ上に残った小田に鳴り止まぬ拍手と歓声が生まれる中、小田の突然の呼びかけにステージ袖から親交のあるアーティスト仲間たちが次々と登場!

 熊木杏里、JUJU、スキマスイッチ、根本要(STARDUST REVUE)、松たか子、水野良樹(いきものがかり)、矢井田瞳、和田唱(TRICERATOPS)豪華すぎる顔ぶれの登場に、客席からは割れんばかりの拍手と驚きの声が上がった。全員で披露したのは「キラキラ」。小田を中心に、アーティストたちが花道を歩きながら歌声を重ね、客席に笑顔と手を振り届ける。会場は一体となって揺れ動いた。続く「ラブ・ストーリーは突然に」では、イントロが流れた瞬間に再び大歓声。客席は総立ちとなり、華やかなコーラスと小田の歌声が重なり合い、圧巻のラストを飾った。

 ダブルアンコールを終えても鳴り止まない拍手と「ありがとう!」の歓声に包まれる横浜アリーナ。静かにピアノの前に腰を下ろし最後は地元・横浜への想いを綴った「my home town」を歌唱すると観客の多くが涙をぬぐう姿が見られた。「my home town」の余韻が会場全体に広がり、観客はこの特別な一夜を胸に焼き付けた。こうして、明治安田Presents Kazumasa Oda Tour 2025「みんなで自己ベスト!!」 は、地元横浜で奇蹟のファイナルを迎え、長いキャリアの金字塔となる瞬間を刻んだ。横浜で迎えたファイナルは、78歳の小田和正が築き上げてきた“音楽の絆”を体現する、歴史的な瞬間となった。

 アンコールを終えた小田は、深々と一礼しながら観客に向かって「また会おうぜ!!」と力強く叫ぶと大きな拍手と歓声が沸き起こり客席が一つとなった。そして観客一人ひとりの胸に“奇蹟の時間”が刻まれる夜となった。先月9月20日に78歳を迎えたばかりの小田。“史上最年長記録を更新する”全国ツアーを仲間と共に見事に完走した。


[バンドメンバー]
木村万作(ドラム&パーカッション) / 栗尾直樹(キーボード) / 稲葉政裕(ギター) / 吉池千秋(ベース)

[ストリングス]
金原千恵子(ファーストバイオリン) / 吉田翔平(セカンドバイオリン) / 徳高真奈美(ヴィオラ) / 堀沢真己(チェロ)

[セットリスト]
01.ラブ・ストーリーは突然に
02.Wonderful life
03.夏の日
04.woh woh
05.東京の空
06.たしかなこと
07.こころ
08.その先にあるもの
09.風と君を待つだけ
10.Yes-No
11.キラキラ
12.言葉にできない
13.すべて去りがたき日々
14.君住む街へ

ENCORE
16.愛を止めないで
17.ES-YES-YES
18.hello hello
19.今日もどこかで
20.いつも いつも
21.キラキラ
22.ラブ・ストリーは突然に
23.my home town


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カメラマン:岩佐篤樹

〈明治安田Presents KAZUMASA ODA TOUR 2025「みんなで自己ベスト!!」〉特設サイト
kazumasaodatour2025.com
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