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映画『叛逆のサウンドトラック』、菊地成孔の初日トーク・イベント開催 「この作品は、DJプレイに近い」

2026/08/10 12:58掲載
映画『叛逆のサウンドトラック』、菊地成孔の初日トーク・イベント開催 「この作品は、DJプレイに近い」
 陰謀渦巻く歴史の闇をジャズが直撃する、壮絶なドキュメンタリー映画『叛逆のサウンドトラック』が、8月7日より東京・Bunkamura ル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、UPLINK 吉祥寺他にて公開されました。

 本作は、60年代のコンゴ動乱を中心に、音楽と政治が共鳴した“もう1つの冷戦史”として描いたドキュメンタリー。アーカイブ映像・音源のみで構成されており、アフリカ諸国の独立と冷戦の狭間で揺れる歴史の裏側を、ルイ・アームストロングディジー・ガレスピーら政治に翻弄されたジャズ・ミュージシャンの演奏とともに、ダイナミックな編集とリズム感あふれる展開で生き生きと描き出していきます。

 公開初日を迎え、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下では、10:50の回上映終了後に音楽家・文筆家の菊地成孔を迎えたトーク・イベントを実施。「この作品は、DJプレイに近い」という独自の切り口で映画を解説した当日のレポートも到着しています。

[イベント・レポート]
 菊地さんは紹介を受けた後、1人で登壇してすぐ「非常にマッシヴな作品なので、見終わった後噛みしめる時間もなく私が出てくるのもどうかと思うのですが…。渋谷の太陽が一番今晴天に向かっていまして、来る時に焼け死ぬかと思いました。30分ほど涼しい話をさせて頂いて、その後渋谷の太陽をまた楽しんで」と語り始める。

 「この回は日本公開の初回なので、皆さんが日本で最初に見た方々、ということになります。まとめて解説して欲しいと思う方もいらっしゃると思うのですが、そういう方はパンフレットが素晴らしいので。アフリカンカルチャーの研究家で早稲田大学の中村隆之先生が最初の原稿を書いています。その次に私が書いた比較的長い8000字の原稿があります。一読だけだと何書いてあるのか分かんないような奴なんですけど(笑)。この作品は、DJプレイに近いと思っています。政治ドキュメンタリーとも音楽映画とも捕えられない微妙な位置にいて、DJプレイが一番近いのかなと思います。DJプレイを突き詰めていく根拠というのは、前の曲と次の曲が似ている、相似性と、象徴性が頼りです。この映画はその事がよく見て取れる。本作の監督は、ヨハン・グリモンプレというベルギー人の監督で、僕と同じ63歳です。世代論にしてしまってはいけないのですが、監督の気持ちがすごくわかるんですね。このパンフに書けなかったもの、(今夜の)イベントで話せないものを話したいと思う」と話す。

 「まずはジャン・リュック・ゴダールとの関係。ゴダールの政治性は、センスが良くて抽象性に満ちています。この映画も、かなり“ほのめかす”ことが多いです。ウォルト・ディズニーがなぜ出てくるかわからなかった方、多いと思います。ウォルト・ディズニーの潜水艦だよと言って『かかか』って笑うところがあるのですが、キューバ危機でキューバの核兵器を積んだ潜水艦がアメリカに近づいたのですが、ディズニーランドの潜水艦だよ、そんなに騒ぐなよフルシチョフ、という小ギャグが入っています。また、ディジー・ガレズビーは、ルイ・アームストロングと似てるんですよね。なので、区別がつかなくなる可能性を、この映画はすごく持っています。パトリス・ルムンバはそもそも相貌をそんなに知られていません。ルムンバとマルコムXは見ようによっては相貌がそっくり。最初にマルコムXに対する質問で『あなたに顔が似ているパトリス・ルムンバは…』とでてきます。この映画を100回近く見ています。ゴダールの系譜に入れて良いかどうか、という事は考えました。普通のドキュメントではない。D・ガレスピーの大統領選出馬キャンペーンが出てきますけど、あれ、64年の、動乱も収まった時期の話なんで、画面が動乱前の61年の状態であれが飛び込んでくるのはシャッフルになるし、全く関係ないフッテージも使ったりしています」。

 この後、本作でヨットに乗った傭兵たちが出てくるが、そのコンゴでの行いを撮ったために問題になったグァルティエロ・ヤコベッティ監督の『さらばアフリカ』の話、コンゴの国の名前が5回変わったこと、「政治が何か(映像、音楽等)と混じる時、必ず重合関係になっている。重合体はサラダドレッシングのようなもの。交合体の代表はカフェオレです。一度混ざったら、時間が経っても分離しない。混合はしない、重合体になって、重合の恩恵にはあずかれる。混合物にはなりえない」等、菊地さんらしいトークが続き、楽しいトークショーは終了した。


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ドキュメンタリー映画『叛逆のサウンドトラック』
2026年8月7日(金)より東京 Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、UPLINK吉祥寺 他にて全国順次公開
hangyaku.onlyhearts.co.jp
配給: オンリー・ハーツ
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