70年代初頭、アメリカの深夜の映画館で上映され、のちの映画や音楽、ポップ･カルチャーに大きな影響を与えた“裏”ムーヴメント“ミッドナイト・ムービー”。若い映像作家たちが、興行的な成功を求めず観客に媚びない映画作りを目指した結果、それまでの常識を覆す『ピンク・フラミンゴ』、『ハーダー・ゼイ・カム』、『ロッキー・ホラー・ショー』など数々の名作が登場。このムーヴメントの中心となった映画監督や評論家、当時の観客までをもインタビューし、世界中のサブ・カルチャーを変革してしまった伝説のカルト映画数々の真実の姿を描いたドキュメンタリー作品『ミッドナイトムービー』がDVD化されます。

　この作品ではジョン・レノンが興行権を買い取った事でも知られる伝説的なカルト西部劇『エル・トポ』(写真)、ゾンビ映画の記念碑であり、ジョージ・A.ロメロによるカルト･クラシック『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』、レゲエ・シンガー、ジミー・クリフが出演した『ハーダー・ゼイ・カム』、世界一有名なドラァグ・クィーン、ディヴァインの名を世に轟かせた悪趣味映画『ピンク・フラミンゴ』、観客が歌って踊って雨まで降らす『ロッキー・ホラー・ショー』、若き日のデヴィッド・リンチがたった一人で手がけた名作『イレイザーヘッド』の6作品にフォーカスし、それぞれの監督、出演者、関係者にインタビューし、いかにしてこれらの映画が“奇妙なもの、グロテスクなもの”に価値を与え、既存の概念を覆していったのかを検証。当時を追体験する貴重な映像作品としても楽しめます。