ファットボーイ・スリムのプロジェクト“THE BPA”の2ndシングル「想い出のシアトル」でフィーチャーされ話題を呼んだイギリスの歌姫、“エミー・ザ・グレイト（Emmy The Great）”。ケイト・ナッシュらの賛辞を受けるほか、イギリスで行なわれる世界的なフェスティヴァル“グラストンベリー”には昨年に続き2年連続で出演が決定するなど、国内で高い評価を獲得しています。

　そんな英アンチフォーク・シーンを代表するシンガー・ソングライターである彼女が、今年2月に発売した1stアルバムにボーナス・トラックを9曲加えた『ファースト・ラヴ』で、9月2日、日本デビューを果たします。

　エミー・ザ・グレイトは香港生まれ、イギリス育ち。2006年にシングル「Secret Circus」でデビュー。素朴で温かみのあるアコースティック・サウンドを基調に、キャッチーなメロディを持つポップス的な要素を持つ楽曲と、ルックス同様、芯のあるかわいらしい歌声が魅力。一方で現実の世界を見事に描きあげる、残酷なまでに赤裸々な歌詞も注目を集めています。

　前述したノーマン・クックやケイト・ナッシュのほか、ライトスピード・チャンピオンの作品に参加したり、マーサ・ウェインライト、ブライト・アイズらのツアーに誘われるなど、ミュージシャンの間でも人気の高いアーティストです。

　そんななか、さまざまなレーベルからのオファーも受けていたのですが、商業主義的な外部からの提案にうんざりした彼女は、セルフ・プロデュースによるデビュー・アルバムを自己資金で制作。さらに自らのレーベル“Close Harbour”から完全自主リリースで届けられたのが、今回のアルバムです。

　業界の常識に“NO”を叩きつけたこのアルバムからのシングル「ファースト・ラヴ」はiTunes（UK）のシングル・オブ・ザ・ウィークを獲得！　サミュエル・ベケットの小説からインスパイアされたこ
の楽曲には、レナード・コーエンの「ハレルヤ」が大胆に引用されていたりもして、聴きものです。