ビルボードのヨーロッパ・チャートで1位を記録した前作『
クライング・ライト』から約1年半。
アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ(ANTONY AND THE JOHNSONS)の4thアルバム
『スワンライツ』が10月13日にリリースされます。なんとあの
ビョークとのデュエット「Flétta」、名門
ロンドン交響楽団が全面参加した「Ghost」、先行シングル曲の「Thank You for Your Love」をはじめ、11曲を収録。そして今作『スワンライツ』のリード・シングルであり、同名EPのタイトル曲でもある「Thank You For Your Love」のミュージックビデオが公開されました。このビデオは、アントニーがまだ10代だった1990年代の初頭、初めてニューヨークに着いた時に回していたスーパー8のフッテージから構成されています。
アルバム『スワンライツ』は、通常のCDフォーマットと、CD付きアート・ブックのスペシャル・エディションという2通りの形態でリリースされます。ニューヨークの美術出版社、エイブラムズ・イメージから発売される特別版は、アントニーによる絵画・コラージュ・写真・文章を含む144ページのアート・ブックにCDが付いた形でリリースされ、CDのみの通常版には、(特別版には入っていない)ビョークとのデュエット曲「Flétta」が収録されています。なお日本盤(通常版)のリリースは10月13日になります。
大野一雄の映像と大野慶人の舞踏とのコラボレーションという、まさに『クライング・ライト』のリリースに伴う世界ツアーの締め括りにふさわしい形で、今年2月に奇跡の初来日公演を果たしたアントニー。それから数ヶ月経った6月、大野一雄は103歳で世を去り、アントニーは英ガーディアン紙で追悼文を執筆しました。
本作の収録曲の多くは、『クライング・ライト』と同時期に書かれたものですが、前作以上にラフで生々しい感触があって、さまざまなスタイルの曲が混在しており、実際の録音も複数の場所で行なわれています。とはいえ、アントニーの歌の芯がぶれることはなく、これまでのどのアルバムとも異なっていながら、やはりアントニー・アンド・ザ・ジョンソンズのものでしかない、新たな傑作と呼ぶにふさわしい作品になっています。
アントニーはビョークの2007年作『ヴォルタ』(2007)に参加、「The Dull Flame of Desire」(2008年にシングルリリースされ、ビデオも発表された)と「My Juvenile」の2曲でフィーチャーされており、今回が2度目のコラボレーションになります。
2008年秋の世界ツアーの際に、アントニーは世界各地のオーケストラと共演しており、ロンドンのバービカン公演ではロンドン交響楽団(LSO)との共演を果たした。その際に楽曲のオーケストラ・アレンジを手がけていた気鋭の若手作曲家ニコ・ミューリーが、「Ghost」と「Salt Silver Oxygen」の2曲で、アレンジのみならず作曲もアントニーと共同で手がけており、「Ghost」ではLSOが、「Salt Silver Oxygen」ではデンマーク国立室内管弦楽団が参加しています。