“ゆず、ゆず、ゆず、ゆず”と、今週の総合チャートは彼らの「すみれ」（写真）がひとり勝ち（この場合はふたり勝ちですか）。が、札幌ではMINMI、心斎橋は『MOB SQUAD』が首位と、惜しくも全国制覇達成とまでは。何しろ日本の北から南まで跨っているわけですから、全国各地区で同時期にチャート1位を獲得するのは難事だし、毎回毎回全国で一様に同じ作品が首位だとしたら、そりゃ日本の音楽ファンが没個性すぎて将来が心配。微妙に違っているからこその地域性なわけで、今後もこの調子でチャート・マニアを喜ばせてほしいところ。

　さて、今週もっともそんな地域性が現れているように思えるのが、3タイトル同時発売が話題を呼んだ“L'Arc-en-Ciel”のベスト・アルバム。渋谷や福岡のように仲良く3枚がぴったり並んでトップ10入りした地区がある一方で、心斎橋のようにまったくその逆もあるわけで。毎回、ハードコア／ラウド・ロック系には目のない心斎橋ゆえの結果でしょうが、もちろんまったく売れていないのではなく、ここに掲載したトップ10の圏外なだけですので、激しく勘違いなさらぬよう注意を。でも、他に較べると明確に順位が低いんですよ心斎橋は。では、その代わりに何が？　と思って見てみれば、7位に登場はラウド・ロックの雄“ヘッド”の3rdアルバム『BLACK OUT』が初登場。逆にこの『BLACK OUT』は、他の地区ではチャートインしていない作品であり、心斎橋の嗜好の独自性、わが道を往くぶりが今週も顕著に。つまるところ総合チャート全国制覇のカギの握るのは、心斎橋のチャートなわけですね。