1978年から83年にかけて、極上のサウンド・クリエイターたちが集結し制作されたインストゥルメンタル企画アルバム“CBS / SONY SOUND SERIES”の4タイトル（『PACIFIC』、『NEW YORK』、『エーゲ海』、『SEASIDE LOVERS』）、そして同時期に制作され、坂本龍一が“坂本龍一＆カクトウギセッション”の名義で残した唯一のスタジオ・アルバム『サマー・ナーブス』、以上5タイトルがリマスタリングされ次世代高品質CD「Blu-spec CD2」で復刻されました。

　『PACIFIC』（1978年）は、YMOとしてデビューする直前の細野晴臣が高橋ユキヒロ（幸宏）、坂本龍一と共に、“プレYMO”とも言える音源を提供。この中には、その後YMOのデビュー・アルバムに収録される「コズミックサーフィン」のプロトタイプも。また、山下達郎の書き下ろしによるインスト作品が収録されています。

　『NEW YORK』（1978年）は大村憲司、松原正樹、鈴木 茂ほか、当時からスタジオで活躍していた8人のトップ・ギタリストが作品を提供、ジャパニーズ・フュージョン創世期の大いなる財産とも呼べるアルバム。

　『エーゲ海』（1979年）は、『PACIFIC』に近いリゾートをイメージした世界に細野晴臣、アコースティック・ギターの石川鷹彦や松任谷正隆が参加。

　『SEASIDE LOVERS』（1983年）では、前作に続いての松任谷正隆に加え、寺尾 聰『REFLECTIONS』（1981年）の大ヒットでアレンジャーとして脚光を浴びた井上 鑑、さらに昨年10月に急逝した佐藤 博が参加しており、シリーズ初の全員キーボーディストによるアルバムとなっています。

　そして『サマー・ナーブス』の“坂本龍一＆カクトウギセッション”は、今はなき六本木ピットインでのライヴ用に組まれた“格闘技セッション”が母体。参加陣は高橋ユキヒロ、小原 礼、鈴木 茂、大村憲司、松原正樹、山下達郎、矢野顕子、吉田美奈子など、豪華な顔合わせでのセッションを収めた作品です。