1969年に設立され、キース・ジャレットやチック・コリア、パット・メセニーといった巨匠たちの名作を世に放ち、ヨーロッパのコンテンポラリー・ミュージックを代表するレーベル、ECMが11月17日よりストリーミング・サービスをスタートさせました。

　ECMは、コントラバス奏者として活動していたマンフレート・アイヒャーが20代半ばという若さでドイツ・ミュンヘンに創設。透明感のあるサウンドと澄んだ音質、洗練された美しいジャケット・デザインが特徴で、後のフュージョン・ブームの礎を築いたといわれるチック・コリア『リターン・トゥ・フォーエヴァー』（1972年）や、キース・ジャレットの完全即興ソロ・ピアノ作品『ザ・ケルン・コンサート』(1975年）など歴史的名盤を生み出しました。また、パット・メセニーが10年近く在籍し、『ブライト・サイズ・ライフ』『80 / 81』『ファースト・サークル』など初期の代表作を残しています。1984年にはジャンルを広げ、現代音楽にスポットを当てた“ECM New Series”も開始。アルヴォ・ペルト、ギドン・クレーメル、ハインツ・ホリガーらが新作を発表し、音楽ファンを魅了しています。

　ECMの広報は「ECMとして今でもいちばんの音楽の楽しみ方はCDやLPなどのパッケージであるという考え方は変わりません。ただ、大切なのは音楽を聴くことができること。ここ数年違法な形でECMの音源がネットにアップされていましたが、著作権が保護される枠組みの中で、ECMの作品を聴く事ができるようになります」と、今回のサービス開始についてコメントしています。

　なお、ストリーミング・サービスの開始を記念して、ECMのスローガン“静寂の次に美しい音”をタイトルに冠したプレイリストをApple Musicなどで公開中。ECMの歴史において重要な名曲を網羅した内容になっています。