私立恵比寿中学（エビ中）の柏木ひなたが、生誕ソロ・ライヴとしては初となる東名阪ツアー〈over the moon〉のファイナルとなる公演を自身の誕生日の3月29日（月）に東京・Zepp DiverCityで開催しました。

　グループメンバーのバースデーに合わせ、自身のプロデュースで個性あふれる内容が好評の生誕シリーズ。『関ジャム 完全燃SHOW』の“令和のアイドルで厳選！スゴいボーカリスト10人”への選出のほか、『THEカラオケ★バトル』『千鳥の鬼レンチャン』など人気番組にも多数出演。次世代ヴォーカリストとしてその歌唱力に注目を集め続けている柏木の単独公演として、今回初のバンドセットかつ東名阪ツアーになり初日の名古屋からその内容に話題を集めていました。

　本ツアーでは柏木本人がリスペクトし続けている太陽とシスコムーンの小湊美和がコーラスゲストとして参加しました。会場チケットのソールドアウトを受けこの日の夜公演はストリーミング配信でも中継、来場できなかったファンも数多く見守る中スタート。

　エビ中楽曲だけでなく、カヴァー曲や小湊とのツイン・ヴォーカル・コーナーなど柏木のパーソナリティあふれるセットリストが評判となっていましたが、ツアー・ファイナル、そしてバースデー当日ということもありセットリストをアップデート。オープニングでは2019年リリースの椎名林檎トリビュート・アルバム『アダムとイヴの林檎』にエビ中として参加した楽曲、柏木のセリフが印象的な「自由へ道連れ」でいきなりスタート。続いて自身が敬愛し続ける安室奈美恵「How to be a Girl」を披露。

　フジファブリックから提供された「お願いジーザス」、iriから提供された柏木フィーチャー曲「I’ll be here」とエビ中のミドルナンバーで世界観に引き込むと、続いて聴こえてきたフレーズに、会場からは歓声が出せない環境ながらもため息があふれるように空気が一変。2018年の野外アコースティック・ライヴ〈ちゅうおん〉から約2年半ぶりとなる米津玄師「Lemon」がこのツアーで初めて演奏されました。

　VTRを挟んであらためてステージ中央に登場した柏木の隣には小湊が。このツアーでの大きな見どころの一つであった小湊とのツイン・ヴォーカル・コーナー。太陽とシスコムーン「月と太陽」、T&Cボンバー「HEY!真昼の蜃気楼」といった自身が聴き続けてきた楽曲を、小湊本人と披露できる夢のようなステージに時折目配せをしたり、はにかみながら楽しむ様子はファンにとっても見たことのない新しい一面。

　アンコールでは「Lemon」同様に2017年の「ちゅうおん」以来となるBUMP OF CHICKEN「ray」をレアなバンドセットで盛り込むなど、アイドルとしての楽曲力に加え、自身のルーツや世界観を凝縮したライヴ。そして最後に柏木からのサプライズプレゼントが。

　この日のために用意されたオリジナル楽曲「Take your Original」はこれまで柏木が歌唱してきた楽曲とも異なる、自身のパーソナリティとメッセージが存分に歌詞に盛り込まれた、90’s R＆Bフレイバー香るキャッチーなダンス・チューン。作詞を担当したシンガー・ソングライターのロイ-RoE-は柏木のアイディアをベースに、困難にくじけない芯のある強い女性像をスタイリッシュに描いています。ロイ-RoE-は「柏木ひなたちゃんの考え方や歌にしたいことが、人間としてもアーティストとしても自分と一致する所が沢山ありました。例えば、1人の女の子がどんな理不尽な言葉や行動に傷つけられようとも自分は自分の味方であってほしい、自分を愛してほしいという思いを込めて作詞しました。この曲が色んな女の子たちの拠り所になったら嬉しいです」とコメントしています。

　10年間のアイドルとしてのキャリアを持ちながら、パフォーマー、そしてシンガーとしてさらなる可能性が入り混じったこのツアー。最終日はシンガー柏木ひなたの新たな進化と可能性を叩きつけて完走したメモリアルな公演となりました。

　
　なお、私立恵比寿中学は、全5ヵ所、6公演を巡る全国ツアー〈私立恵比寿中学Best at the moment series「6Voices」〉を開催中。現在進行中の新メンバー・オーディション決定公演は5月5日（水・祝）。新たなフェーズへと突入したエビ中にこれからも目が離せません。