9月27日に東京・トヨタアリーナ東京で行なわれたボクシング4大世界タイトルマッチのひとつ、WBC世界バンタム級王座戦で、同級王者の井上拓真と同級1位の那須川天心が対戦。“これで最後だ。”と銘打った約10ヵ月ぶりの再戦は、判定3-0で前回同様に井上が那須川に勝利。那須川は7回にダウンを奪ったものの、同じ相手に連敗となりました。
さて、両者の対決を盛り上げた要素のひとつとなる入場曲ですが、井上は
ファルコ(Falco)の「ロック・ミー・アマデウス」(Rock Me Amadeus)、那須川が
矢沢永吉の「止まらないHa~Ha」をそれぞれ使っています。
「ロック・ミー・アマデウス」は、オーストリア・ウィーン出身のヨハン・“ハンス”・ヘルツルのアーティスト・プロジェクト、ファルコが1985年にリリースしたシングル曲。ドイツのスキー・ジャンパー、ファルコ・ヴァイスプフロッグの名前を由来とするファルコは、バンド活動を経て、1981年にソロキャリアをスタート。「秘密警察」(Der Kommissar)をヨーロッパでヒットさせると、北米でもドイツ語詞による白人ラップ・ソングが知れ渡ることに。その後、1986年に「ロック・ミー・アマデウス」が3週連続全米1位、全米年間チャートで28位を記録し、ドイツ語で全米を制した唯一の楽曲となりました。続く「ウィーン・コーリング」(Vienna Calling)も全米18位・全英10位にランクインするなど、世界的なブレイクを果たしました。
ドイツ語と英語を合わせて繰り出すラップと、
モーツァルト(ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト)の物語を描いた映画『アマデウス』のヒットや、クラシックの偉人をコミカルに扱ったスタンスで注目を浴びた「ロック・ミー・アマデウス」は異例のビッグヒットに。日本では
木村拓哉出演のマンダム「ギャッツビー」CMにて替え歌が使われたことも話題となりました。
一方、「止まらないHa~Ha」は、矢沢永吉の1986年のアルバム『
東京ナイト』の収録曲。翌年の全米リリース・アルバム『
FLASH IN JAPAN』では「HURRICANE」のタイトルで、英語ヴァージョンとして収録されています。
「止まらないHa~Ha」はライヴのクライマックスで演奏されることが多いキラー・チューンで、曲に合わせて観客が「YAZAWA」と書かれたタオルを投げ上げる“タオル投げ”曲として、広く知られています。
ライヴともども最高潮の盛り上がりをもたらすとして人気な楽曲ゆえ、特にスポーツ・シーンで用いられ、これまでにも
イチロー、
岩村明憲、
三浦大輔などのメジャーリーガーやプロ野球選手の登場曲、Jリーグ・RB大宮アルディージャの
杉本健勇などのサッカー選手のチャントにも用いられています。2009年のサッカー天皇杯2回戦において、当時北信越1部リーグ(J1を1部とすると当時は4部、現在は5部相当)の松本山雅(現・J3)がJ1リーグの浦和レッズと対戦した際にGKとして出場していた原裕晃のチャントも「止まらないHa~Ha」で、サポーターが“Ha~Ha”の部分を“ハ~ラ”に替えて鼓舞。松本山雅のGK・原は坪井、細貝、鈴木啓太、ポンテ、原口、田中達也、エジミウソンらほぼベストメンバーを擁した浦和の猛攻を鉄壁の守りでことごとくしのいで2対0で破り、いわゆる“ジャイアントキリング”に大きく貢献しました。
(写真は、2017年3月リリースのファルコのベスト・アルバム『
ファルコ60~ベスト・オブ・ファルコ』