10月第3週(10月12日[月]~10月18[日])の注目作は、何といっても日本のロック・ファンが注目するB'zの松本孝弘率いる日米合同スーパーロック・グループ・TMGの3rdアルバム『TMG III SAYONARA』(10月14日[水]発売)でしょう。 10月8日にはNHK『SONGS』にてAdoとのコラボ楽曲「SAYONARA (feat. Ado)」や松本が幼少期に影響受けたというビートルズ「WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS」のカヴァーが披露され、大いに話題を呼んでいるところ。10月5日からは新作を携えたZeppツアー〈TMG LIVE 2026 “SAYONARA”〉もスタートしています。
さらに、本作には公開中の尾上松也版『八つ墓村』のために書き下ろされたインストゥルメンタル曲「DOOM」も収録。祟りや呪いを題材にした怪奇小説の世界観を思わせる重厚なギターサウンドが全編を貫き、日本的な情念を濃密に描き出しています。メタリカ「The Call of Ktulu」も彷彿とさせる、怪奇モチーフのインストの新たな名曲が誕生したことを実感させる一曲です。
また、10月第3週には、日本ポップス界の巨匠、山下達郎の新たなライヴ・アルバム『JOY 2』(10月14日[水]発売)も登場。『IT'S A POPPIN' TIME』(1978年)、『JOY』(1989年)に続く通算3作目のライヴ盤で、じつに37年ぶりとなる作品です。『JOY』がスタジオ録音にも匹敵する完成度を誇るライヴ・アルバムとして語り継がれているだけに、その続編とも言える本作への期待は大きいものがあります。収録されるのは、2008年から2025年までに行われた600本以上の公演の中から、山下本人が厳選した38曲。3枚組というボリューム感もあり、名ベスト盤『OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~』を思わせる充実ぶりも特筆すべきところ。「SPARKLE」「DONUT SONG」「風の回廊」といったライヴ定番曲から「WINDY LADY」「恋のブギ・ウギ・トレイン」といったライヴ映えする長尺の楽曲、「蒼氓」「高気圧ガール」「アトムの子」などのタツロー・クラシック、そしてダイハツのCMでおなじみの最新曲「MOVE ON」まで、ベスト盤ともいえる永久保存のラインナップです。
超特急やM!LKを輩出したEBiDANの新グループ、iiONDOのデビュー・シングル「はつ恋ONDO」(10月14日[水]発売)にも注目です。EBiDAN15周年記念オーディションから選ばれた8人で結成されたiiONDOは、人々の心を“良い温度(ONDO)”にし、ボーイズグループ界の“音頭”を取る存在になるという思いをグループ名に込めています。デビュー曲「はつ恋ONDO」では、「君の温度 上げていこう」というフレーズとともに、そのコンセプトをストレートに表現。元serial TV dramaで、現在はKEBABSのギタリストとして活動する新井弘毅が作詞・作曲・プロデュースを手掛けており、ファンキーなグルーヴと和のテイストを融合させたサウンドは、リズミカルかつ疾走感も満点。確かに聴くだけで、少し体温が上がるようなエネルギーに満ちています。リーダーを務める三村航輝が、映画『ようこそ、ひまわりへ』で映画初出演&初主演を務めることが発表され、話題性も高いiiONDO。EBiDANの次世代を担う存在として、今後の活躍に大きな期待が集まっています。
最後に、注目の洋楽リリースもご紹介。大型野外フェスでのバンド・セットからDJセットまで、たびたび日本にも来日しているオーストラリアのエレクトロニック・ミュージック・グループ、アヴァランチーズの通算4枚目『ノー・バッド・メモリーズ』(10月16日[金]発売)は、ジェイミー・エックス・エックス、リヴァース・クオモ、マイク・パットンらに加え、日本からも細野晴臣、池田亮司が参加し、その豪華ゲスト陣にも話題を呼んでいます。子どもの頃に聞いた商業的サウンドが、巧妙に記憶に刷り込まれていることから着想を得た作品で、CMソングやブランド独自の起動音、忘れ去られたオーディオ・ロゴなど、日常の中で無意識に耳にしてきたサウンドが随所にサンプリングされています。2001年製のSony Handycamを使って、日本で撮影されたという「Far Away ft. John Glacier, Khadija Al Hanafi」のMVも、昨年の映像ながらどこかノスタルジーを呼び起すもので、必見です。