同じ誕生日のアーティストたちの楽曲をプレイリストにしてしまおうという企画「バースデープレイリスト」の12月12日篇。年代順にアーティストと楽曲を10曲紹介していきましょう。
まずは、1915年に誕生した“ザ・ヴォイス”こと
フランク・シナトラ。20世紀のアメリカを代表する世界的なエンターテイナーで、数多くのミリオンセラーを送り出しました。「マイ・ウェイ」「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」「ニューヨーク・ニューヨーク」などヒット曲の多くがスタンダードとして多くのアーティストにカヴァーされていますが、ここでは娘の
ナンシー・シナトラとデュエットし全米1位を獲得した「恋のひとこと」を挙げておきます。
1929年に生まれたのが、ジャズ・ピアニストの穐吉敏子(
秋吉敏子)です。26歳で単身渡米し、日本人としては初めてバークリー音楽院(現・バークリー音楽大学)で奨学生として学ぶと、チャールズ・ミンガス、
ルー・タバキンらと共演。1977年のアルバム『インサイツ』は米ジャズ専門誌『ダウンビート』のベスト・アルバムに選出されたほか、1999年に国際ジャズの殿堂入り、2006年にジャズ・マスターズ賞を受賞するなど国際的に高く評価されています。ここでは娘の
Monday満ちるとの連名で2006年にリリースした穐吉として初のシングル「
HOPE 希望」を選曲。
1937年には、愛らしい歌声で50〜60年代にヒットを連発した
コニー・フランシスが誕生。女性初のロックンロール歌手とされ、日本語、ドイツ語、ユダヤ語など数多くの言語でレコードを吹き込み、そのヒット曲は世界各国でカヴァーされています。「フーズ・ソリー・ナウ」をはじめ、
竹内まりやがカヴァーした「ボーイ・ハント」、
伊東ゆかり、
森山加代子、
小泉今日子らがカヴァーした「カラーに口紅」、
中尾ミエの代表曲として親しまれている「可愛いベイビー」なども有名ですが、ここでは映画『ナースのお仕事ザ・ムービー』主題歌として
観月ありさもカヴァーした「ヴァケイション」をチョイスしましょう。
2024年に「ロックの殿堂 ミュージカル・エクセレンス・アワード」を受賞した
ディオンヌ・ワーウィックは、1940年生まれ。50曲以上のヒット曲を放ち、「サンホセへの道」「恋よ、さようなら」「涙の別れ道」「デ・ジャ・ヴ」「愛のハーモニー」でグラミー賞を受賞するなど、世界的なポップ・シンガーとしてその名を馳せています。そのなかから、
グラディス・ナイト、
エルトン・ジョン、
スティーヴィー・ワンダーとディオンヌ&フレンズ名義で発表した「愛のハーモニー」を選びましょう。
1943年に誕生したのがジャズ・サックス奏者の
グローヴァー・ワシントン・ジュニア。1971年の初リーダー作『インナー・シティ・ブルース』で注目され、1980年の『ワインライト』がジャズ・チャートで31週1位を記録。フュージョン界を代表する偉大なるサックス・プレイヤーとして確固たる地位を築き、“スムースジャズの父”とも言われています。ここでの選曲は“グローヴァー・ワシントン・ジュニアといえば”という代表曲、
ビル・ウィザースがヴォーカル参加し、グラミー賞ベストR&Bソングを受賞した「ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス」を。日本では「クリスタルの恋人たち」の邦題で知られ、
久保田利伸をはじめ、
山崎まさよし、
藤井風らがカヴァーしています。
翌年の1944年には、
橋幸夫、西
郷輝彦とともに“御三家”と呼ばれた
舟木一夫が誕生。デビュー当時は八重歯と学生服が印象深く、学園ソングを多く歌っていました。時代劇『銭形平次』のテーマ・ソングの「銭形平次」や、自身も大ファンというプロ野球・中日ドラゴンズの応援歌「燃えよドラゴンズ!'99」などでも知られていますが、ここはやはり、1963年のデビュー曲「
高校三年生」を挙げておきましょう。
1957年には、“クイーン・オブ・パーカッション”こと
シーラ・Eが生を受けています。懇意な間柄とも言われたプリンスのライヴやツアーに参加したことでも知られ、1984年のアルバム『
グラマラス・ライフ』でスターダムにのし上がりました。選曲は、同アルバムのタイトル曲で全米7位を記録した「グラマラス・ライフ」にしましょう。その後も1985年に「ラヴ・ビザール」が全米11位を記録し、80年代を代表するパーカッショニストの地位を築いています。2025年10月には、タイニー・デスク・コンサート出演メンバーとシーラ・E&ザ・Eトレインとして来日公演を行ない、話題となりました。
そのほか、タレント / 女優でサッカーJリーグ・FC東京所属の長友佑都の妻でも知られる
平愛梨(1984年生まれ)のシングル「
Wish」、ファッションモデルとしても活躍している
紗羅マリー(1986年生まれ)のデビュー曲「
Cherry」、ダンス&ヴォーカル・グループの
AAAのメンバー、日高光啓として活動後はラッパー / プロデューサーとしても活躍している
SKY-HI(1986年生まれ)のヒット・シングル「
アイリスライト」を選んでおきます。
フランク・シナトラ「恋のひとこと」(Somethin' Stupid)
秋吉敏子 Monday 満ちる「HOPE 希望」
コニー・フランシス「ヴァケイション」(Vacation)
ディオンヌ&フレンズ「愛のハーモニー」(That's What Friends Are For)
グローヴァー・ワシントン・ジュニア「クリスタルの恋人たち」(Just the Two of Us)
舟木一夫「高校三年生」
シーラ・E「グラマラス・ライフ」(The Glamorous Life)
平愛梨「Wish」
紗羅マリー「Cherry」
SKY-HI「アイリスライト」
(写真は2020年1月リリースのコニー・フランシスのベスト・アルバム『
コニー・フランシス〜ベスト・セレクション』)