1987年10月30日に、ハドソンと日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)が共同開発した家庭用ゲーム機「PCエンジン」が発売されました。
1983年に発売された任天堂の「ファミリーコンピュータ」が“ファミコン”の愛称で広く認知され、1986年にはロムカセットより大容量のクイックディスクの技術を応用した「ファミリーコンピュータ ディスクシステム」が登場するなか、ハドソンと日本電気ホームエレクトロニクスはCD-ROM搭載を前提とした“ファミリーコンピュータを超えるゲーム機”をコンセプトに、「PCエンジン」を開発しました。
当時の家庭用ゲーム機と比較すると圧倒的な高速度と高性能を誇るPCエンジンは、1990年に登場した任天堂・ファミリーコンピュータの後継機、“スーファミ”こと「スーパーファミコン」のシェアをしのぐまでにはいたりませんでしたが、一躍脚光を浴び、90年代にスーパーファミコンに次ぐシェアを占めるなど、国内家庭用ゲーム機市場における任天堂一強時代に風穴を開け、任天堂に次ぐ2番手となるなど、多くのユーザーを獲得しました。
日本国内のみならず、海外へも進出し、北米では「ターボグラフィックス16」(TurboGrafx-16)の名前で発売。当初はファミリーコンピュータ、その後はスーパーファミコンやセガの「メガドライブ」と競合しながら、世界累計販売台数764万台を記録しているともいわれています。
さて、PCエンジンにも数多くの名作ゲームソフトが生まれました。PCエンジン本体と同時発売となったPCエンジン最初のゲームソフトのひとつが、TVアニメ『ビックリマン』を題材にしたアクションRPG『ビックリマンワールド』です。1989年にはドラマティックなオープニングアニメーションも印象的だった『イースI・II』や雑誌『月刊PCエンジン』連載の4コマ漫画をゲーム化した『PC原人』、1991年にはアーケードの名作シューティングゲームを移植した『グラディウス』がリリースされました。1992年には“ネオ・コウベ・シティ”を舞台にした謀略型アンドロイドをと探偵のストーリーを描いた『スナッチャー』や、日本の戦国時代をモチーフに、架空の国ジパングを舞台に展開する『天外魔境』シリーズ第2弾『天外魔境II 卍MARU』が登場。同作はオーケストラによる音楽や声優によるアニメムービーなども収められ、“PCエンジンの最高傑作”と語られることも多い名作RPGで、その後「PlayStation 2」や「ニンテンドーDS」にも移植・リメイクされたほど。第1弾『天外魔境 ZIRIA』では
坂本龍一が音楽プロデュースを担当しましたが、『
天外魔境II 卍MARU』では
久石譲や
福田裕彦が参加するなど、音楽的にも話題を集めたシリーズとなりました。
ちなみに、音楽ユニットの
水曜日のカンパネラの楽曲「桃太郎」では、メンバーでソングライティングを手掛けるケンモチヒデフミが体験したと思われるゲームカルチャーが歌詞に投影されており、“PCエンジンbyハドソン”“天外魔境2”“ファミコン一日1時間 でもPCエンジン3時間”といったフレーズが随所にでてきます。同曲は2014年リリースのアルバム『私を鬼ヶ島に連れてって』に収録されています。
(写真は、2011年2月リリースの映像作品『
ゲームライブラリシリーズ ザ・裏ワザ PCエンジン編(1)』