スーパーの食品コーナーにて買い物中の子連れの母に「ウインナーなにで選んでますか？」と語りかける、中村倫也扮するゴールドとブラックのチェック柄のジャケットスーツを着たおだやかな表情の男性“ウインナージェントルマン”。母が「価格とか、食感とか…」としどろもどろに答えるやいなや、ウインナージェントルマンが突然「ちがう、ちがう！」と叫び、マイラジカセを掲げながら、「肉で選びたい〜」とウインナーは肉の旨さで選ぶべきというメッセージを熱唱する……というコミカルなストーリーが印象的な伊藤ハム「The GRAND アルトバイエルン」のCM「ウインナージェントルマン」篇がオンエア。

　このCMで中村が歌っている曲は、鈴木雅之の「違う、そうじゃない」のCMオリジナル・アレンジ・ヴァージョンです。原曲の「違う、そうじゃない」は、1994年に菊池桃子とデュエットした「渋谷で5時」との両A面となる、鈴木雅之の17枚目のシングルとしてリリース。鈴木の7枚目のアルバム『She・See・Sea』にも収録されました。

　当時は三貴「ブティックJOY」のCMソングとしても話題となりましたが、その後、SNSやインターネット上でのパロディの“ネタ”音源として頻繁に使われるようになり、原曲を知らない若い世代にも伝わると、その流行を受けて、2022年の『第73回NHK紅白歌合戦』に鈴木が出場した際に「違う、そうじゃない」を歌唱。「こんな曲だったのか！」「初めてフルで聴いた！」などの若い世代の声がSNS上であふれたのも話題となりました。

　原曲は『ALL TIME BEST〜Martini Dictionary〜』（写真）、『マティーニ2』といったベスト・アルバムでも聴くことができます。