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京都大学出身のミュージシャンをおしえて!

ヒャダイン   2025/06/18掲載
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京大出身のミュージシャンをおしえてください!
 6月18日は京都大学の創立記念日です。1897年6月18日に現在の京都大学の前身の京都帝国大学が創設され、2025年で128周年を迎えます。

 当時、東京帝国大学(現在の東京大学)に次ぐ高等教育機関の場が求められた際に、歴史的や文化的な背景も考慮して、京都の地に帝国大学の設置を決定しました。旧帝国大学7校の一つとなり、自由な学風と独創的な学術研究の追求を理念とした、既成概念にとらわれない精神や理念を受け継ぎながら、ノーベル賞受賞者をはじめ、さまざまな分野で逸材を多数輩出しています。

 日本の音楽シーンにおいても、“京大”の学風に触れたミュージシャンが多く誕生していますが、いくつか有名なミュージシャンを紹介していきましょう。

 まずは、ジャズ・トランペッターの近藤等則。愛媛県立今治西高等学校から京都大学工学部に進んだ近藤は、1976年の山下洋輔のアルバム『JAM RICE RELAXIN'』のレコーディングに参加してデビュー。1983年に結成したTibetan Blue Air Liquid Bandは、のちに近藤等則&IMAと名を改め、国内外で活躍。1993年からは東京とオランダのアムステルダムを往来しながら“地球を吹く”プレジェクトを推進しました。山口智子主演のドラマ『29歳のクリスマス』や岩下志麻主演の映画『極道の妻たち 危険な賭け』、資生堂、JCB、アサヒビールのCMなど、メディアにも多く登場しました。

 80年代後半からロック・シーンを沸かせたのが、BO GUMBOS(ボ・ガンボス)です。キーボードやギター、ヴォーカルを担当したKYON(現・Dr.kyOn)は京大卒、ヴォーカルのどんとは中退です。1989年にメジャー・デビューを果たしたBO GUMBOSは、祝祭的に盛り上がるライヴで支持を集め、6枚のオリジナル・アルバムを発表。バンド名の由来のひとつとなったロックンロール・ミュージシャンのボ・ディドリーから楽曲を提供され、共演するなど多くの話題を振りまきながら、1995年に解散しました。

 “ヒャダイン”の名でも活動しているソングライター / プロデューサーの前山田健一は、京都大学総合人間学部を卒業。幼少よりピアノを、中学時代からはシンセサイザーによる打ち込みを始め、京大在学中は著名なア・カペラ・サークル“Crazy Clef”でア・カペラも経験しています。卒業後は作詞家・松井五郎の下で研鑽を積み、ニコニコ動画にて人気ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する呪文を由来とした“ヒャダイン”名義で投稿した動画が反響を呼ぶと、J-POP、アイドル、アニメ・ゲームなどさまざまなジャンルでヒット曲を発表。2011年にはヒャダイン名義の「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」でメジャー・デビューも果たしています。

 そのヒャダインと同期生だったのが、チップチューン・ミュージシャンのサカモト教授。大学では軽音楽部で組んだバンドで全国ツアーを行なうほどでしたが、フェスにて観客のリクエストでゲーム音楽を演奏した際にウケたこともあって、大学卒業後にゲームプログラマとして活動。2005年からサカモト教授名義で始動し、ニコニコ動画への投稿や楽曲提供・参加などを行なっています。2011年のアルバム『SKMT』はiTunesエレクトロ部門で1位を獲得し、シングル「SAMURAI」はチャート上位にランクイン。“ファミコン”の愛称で人気のゲーム機「ファミリーコンピュータ」を上に乗せたヘッドマスクを頭に被り、ファミコン本体にカートリッジを挿し込むとゲーム音楽をチップチューンの音色で演奏するスタイルが特色です。

 『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』をはじめとするクイズ番組や、『ひるおび!』『ワイドナショー』、3代目秘書を務めた『探偵!ナイトスクープ』などのバラエティ番組でも活躍している松尾依里佳は、京都大学在学中にヴァイオリニストとしてステージデビュー。ドラマ『のだめカンタービレ』に“のだめオーケストラ”の一員として出演したほか、「のだめオーケストラコンサート」にも参加しています。2008年にはミニ・アルバム『First Gate』、2012年にはシングル「Unlimited」をリリースし、2013年にはビルボードライブ大阪にて初のソロ・ライヴも開催しています。

 “オーラル”の愛称で知られるロック・バンドのTHE ORAL CIGARETTESのベースやヴォーカルを務める、あきらかにあきらも、京都大学出身。奈良県立奈良高等学校の同級生の“やまたく”こと山中拓也と2010年にTHE ORAL CIGARETTESを結成し、2014年にシングル「起死回生STORY」でメジャー・デビューを果たしました。2025年の『AlterGeist0000』までアルバム6枚を発表し、全国ワンマン・ツアーは全公演ソールドアウトと高い人気を博しています。あきらかにあきらは、自身がプロデュースするベースブランド「ACE BASS」を始動させ、「あきらかにあきらベース塾」というセミナーを不定期で開催するなど、幅広く活躍しています。

(写真は2013年5月リリースのヒャダインのシングル「笑いの神様が降りてきた!」)
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