坂本真綾 連載 「おんがくto わたし〜everywhere」 - Chapter.5 スタッフMの<15周年記念ライブ Gift>裏側レポート
掲載日:2010年4月21日
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 先週は、坂本真綾の誕生日に行なわれた武道館ライヴ<15周年記念ライブ Gift>のライヴ・レポートを紹介しましたが、今週は坂本さんのレコード会社、フライングドッグのMさんに当日の裏側をレポートしてもらいました。
リハーサル・スタジオ。扉の奥ではリハーサル中!
 デビュー15周年を記念しての初の武道館ライヴ。しかも、30歳の誕生日で、初のベスト・アルバムの発売日当日。この記念すべき日に行なわれた特別な1日、そこまでの道のりを少しだけお届けします。

 そもそもの始まりは……。1996年に15歳でデビューした彼女が、2009年1月に5年ぶりのオフィシャル・ライヴ・ツアーを行ないました。アルバム『かぜよみ』を完成させ、ツアーも大盛況に終えたその打ち上げの場で、“次のライヴはどうしようか、こうしようか”と盛り上がっていました。

 そして、ライヴを成功させるという壁をひとつ乗り越えた喜びの中、さっそく次の目標に向かって進みはじめたのです。やがて、記念すべき30歳の誕生日である2010年3月31日に武道館で一夜限りのスペシャル・ライヴを行なうことが決定しました。
スタジオの壁に張られるセット図と、曲目表。
 打ち合わせを重ね、本格的なリハーサルは3月に入ってからでした(だって1月と2月はベスト・アルバム用の新曲レコーディングとプロモーションがあったからね)。

 リハーサルは全部で6日間。“15周年記念”ということで、やりたいことは盛りだくさん! リハーサルの合間に、衣装のフィッティングがあり、インタビューがあり、打ち合わせがありました。

 スタジオの中には、1年前のライヴや数々のレコーディングで気心の知れたメンバーさんたちがいます(バンマス、ピアノ:河野伸、ギター:石成正人、ベース:大神田智彦、ドラム:佐野康夫、パーカッション:三沢泉)。そして弦とコーラスの方々も。

 坂本さんは、淡々と歌い続け、指示を出し、気迫がビシビシ放散されていますが、休憩中にはメンバーさんとスウィーツを食べ、リラックスした雰囲気で大笑い。

 坂本さんの場合、声も見た目も繊細できれいと言われることが多く、本人もさぞ儚げであろう、と想像されている方が多いようです。しかし実際は、超男前な性格であり、強くて丈夫な喉の持ち主なのです。

 リハーサル中の飲み物はもっぱらスロート・コート(ヴォーカリストの方はよく飲むそう)&蜂蜜ですが、ケアはそれくらい。それで、なぜあんなに歌い続けられるんだろうか??
当日、会場でのリハーサル風景
PAさんもリハーサル
 そして、今回のライヴで坂本さんは自分にハードルを課しました。“ギター”です。もう1回言います。“ギター”です。数年前に挫折して、家では洋服かけになっていた“ギター”です(3回目)。

 「自分の身体一つで、曲を届けたい」というところから、2年ほど前から、ピアノを演奏するようになりました。そして、「いくつになっても、“やりたい”と自分で思ったときが、“できる”ときだ」という思いを体現すべく、今回はギターに挑戦することになりました(初の武道館なのに?!)。

 そして、「あの曲のイントロが格好いいから弾きたい!」というアバウト(というか無謀?)な選曲で、練習が始まりました。
当日、武道館内のお手洗いに貼られていました
 見た目が大好きだという赤いテレキャスターを購入し、石成さんの指導の下、日々練習をしていたわけですが、スタジオや打ち合わせで会う坂本さんが、ギターをしょってる姿は、なかなか見慣れないものがありました。しかし、ファンの皆さんを驚かすためのサプライズだったので、社内でもトップ・シークレットでした(笑)。レコーディング現場でも、ギターを離さずに練習を重ねましたが、実際3月に入る頃には「どうしよう、できないかも。。」と少々焦り気味の状態。

 しかし! 本番ではそれまでで一番の出来!

 「下手だったけど、やってよかった(挑戦してよかった)!」と言った彼女の笑顔は、見ていて勇気付けられるものでした。
サプライズで鈴木祥子さんに運んで
いただいたバースデイ・ケーキ。ライ
ヴロゴまで入れていただき、会場の
お客さまにも見せたかった!
 ちなみに、ちょこっと衣装のお話。

 ライヴ・タイトルの「Gift」にちなんで、“自らをラッピングしちゃおう!”という本人のアイディアで、“私がギフト”というテーマの衣装が生まれました。リボンでくるまれたギフト・ボックスをいっぱいくっつけて、そのままスカートに。背中にもリボンを付け、なかなか見事なラッピングでした。他にも、白いウェディング風ドレスもあったり、それを脱ぐとレインボーカラーの衣装もあったり……。フィッティングを重ね、ジャンプできるか、走れるか、腕を振れるかなど、本番を想定していろいろ動いてみながら衣装を調整します。こういう場面の時は常々思うのですが、遠目で見て映えることはもちろん考慮してるのですが、近くで見るとより一層きれいなんです。胸もとのレース(おフランス製〜)とか、細かいところもお洒落にこだわっていました。

先週のライヴ・レポートにもありますが、そんなこんなで、桜咲く武道館でのライヴは大盛況! 応援してくださった皆さま、どうもありがとうございました!!

 今回の武道館ライヴとベスト・アルバム『everywhere』は、15周年企画の第1弾です。もう少ししたら、第2弾も発表しちゃいます(うきゃっ)。楽しみにしてください!

 今回のライヴは彼女にとっても感慨深く、大切な一日となりました。今後の活動にもいい影響が出るように思います。
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