ジョン・レノンが
ビートルズ解散後に行なった唯一のフルレングス・コンサートとして知られる、1972年8月30日の米・ニューヨーク マディソン・スクエア・ガーデン公演を収めるコンサート映画『パワー・トゥ・ザ・ピープル:ジョン&ヨーコ・ライヴ・イン・NYC』が、4月29日(水・祝)から世界同時劇場公開されます。この映画の公開にあたり、ジョン・レノンと
オノ・ヨーコの息子、
ショーン・オノ・レノンがメッセージを寄せています。
知的・発達障がいを持つ子供たちのためのチャリティ・イベントの一環だったこの日のコンサートは、昼と夜の2公演が行なわれ、ジョン&ヨーコ/プラスチック・オノ・バンド ウィズ エレファンツ・メモリーとスペシャル・ゲストの
スティーヴィー・ワンダーらが出演しました。公演では、「ニューヨーク・シティ」「インスタント・カーマ」「イマジン」「マザー」などジョンの代表曲に加え、ヨーコの「ドンド・ウォーリー・キョウコ」「オープン・ユア・ボックス」、さらにはオーディエンスの熱気が最高潮に達した「カム・トゥゲザー」や「ハウンド・ドッグ」、そしてスティーヴィー・ワンダーら豪華ゲストが参加したアンコールの「平和を我等に」などを披露。延べ4万人の観客を動員し、当時の金額で150万ドル以上の寄付を集めました。
映画は、1972年にスティーヴ・ゲブハルトが撮影した映像を元に、サイモン・ヒルトンが監督、ショーン・オノ・レノンがプロデュースを務め、マルチスクリーンを駆使した没入感のある体験を目指して製作されました。映像は20年の歳月をかけて一コマずつ手作業で修復され、音声についても、高解像度でのデジタル修復を経て、192kHz/24bitのハイデフ・ステレオ、5.1chサラウンド、さらに一部の劇場ではDolby Atmos(ドルビーアトモス)での上映されます。
[メッセージ]このコンサートは、父の最後のコンサートだったので、僕の心の中で伝説的な存在でした。父がレスポールを弾いていたので、僕もレスポールが欲しくなったのを覚えています。
父がツアーに出る計画を立てながらも叶わなかった今、僕たちに残されているのはこのコンサート映像だけです。だからこそ、この作品に携われたことに深く感謝しています。
僕はこのコンサートを本当に美しいと思っています。70年代初頭、音楽がより洗練されていく中で、父はパンクの到来を予見するかのように、原点に戻って、生の、本能的なロックンロールへと立ち返ろうとしていました。それは非常にクールで、時代の流れに逆らった試みでした。
僕にとって、父が話したり動いたりしている姿を見るのは、言葉にできないほど特別なことです。誰もが知っている限られたイメージの中で育ってきた僕にとって、見たことも聞いたこともない断片に出会えることは、父と過ごす時間をもう少しだけ与えてもらったような、とても深い意味があるのです。――ショーン・オノ・レノン