詩人・高村光太郎が、1938年に妻・智恵子が亡くなる直前にレモンをかじっていた姿を詩集『智恵子抄』の「レモン哀歌」という一節で描いたことから、智恵子の命日となる「10月5日」は「レモンの日」とされています。
色彩の鮮やかさや、刺激的な酸味など、強い印象や衝撃を与える事象の象徴としてレモンを用いることは少なくありませんが、それは音楽シーンでも同様ではないでしょうか。そこで“レモン”の人気楽曲をいくつか挙げてみましょう。
まず、多くの人から名が挙がると思われるのが、
米津玄師の「
Lemon」でしょう。
石原さとみ主演ドラマ『
アンナチュラル』の主題歌として書き下ろされたこの曲は、デジタルランキングやダウンロード数、YouTube再生回数やカラオケなど多くのランキングで記録的な数字を達成し、名実ともに幅広い世代から愛される“レモンソング”として知られています。
梶井基次郎の小説『檸檬』をモチーフにしたのが、
さだまさしの「檸檬」です。1978年リリースのアルバム『
私花集』に収録され、のちにシングルとしても発表。御茶ノ水にある聖橋から食べかけのレモンを投げると歌った、昭和の切ないフォーク・ナンバーです。
「檸檬」というタイトルは、2013年に
遊助も
シングル(写真)として発表しています。“出会いと別れの季節の過ごし方”をテーマにした、親しみやすいフレーズが連なるポジティヴな人生応援歌で、
濱田岳主演ドラマ『
終電バイバイ』の主題歌に起用されました。
2019年には、シンガー・ソングライターの
黒木渚が「
檸檬の棘」を発表。自身の心に抱いた葛藤やさまざまにぶつかり合った感情を“レモンのとげ”にたとえて吐露した、刺激的なロック・チューンとなっています。
ロック・チューンとしての“レモン”といえば、
The Birthdayの「
LEMON」にも触れたいところ。若き衝動の青さを振り返りながら、切なさをたたえたロック・バラードで、ファンからの音源化の熱望によって、2013年にシングル化されました。
「レモンの日」を機に“レモンソング”を聴いて過ごしてみるのはいかがでしょうか。