チャリティーショップで発掘されたデモ音源が世界中で話題となり、約20年の時を経て再結成したイギリスのアートロック・バンド、パンチコ（Panchiko）の新作アルバム『Ginkgo』が4月4日（金）にリリースされます。

　2016年、インターネットユーザーがノッティンガムのチャリティーショップでパンチコが2000年にリリースしたデモCD『D>E>A>T>H>M>E>T>A>L』を発見し4chanに投稿。それから4年後に熱心なファンたちがバンド本人を突き止めることに成功し、数百万のリスナーがバンドの青春時代の作品に魅了されていきました。自分たちの音楽が突如として話題になっていることを知ったパンチコは、オリジナルメンバーのアンディ・ライト（key，prod）、オーワイン・デイヴィス（vo，g）、ショーン・フェレディ（b）に新メンバーのロバート・ハリス（g）とジョン・スコフィールド（ds）を加えて再結成。世界ツアーを行ない20年以上ぶりのアルバム『Failed At Maths』を2023年にリリースしました。

　『Failed At Maths』に続く今回のアルバムについて、アンディ・ライトは「今回のプロダクションはこれまでの10倍のスケールになった」と語っています。バンドが自身の青春時代とライヴに集まる若い観客層に思いを馳せた「Shandy in the Graveyard」では、トリップホップとオーケストラ・フォークを自在に行き来するプロダクションが新鮮な音の対比を生み出す仕上がりに。

　また、彼らが10代の時のデモ音源がファンを惹きつけたのがストレートな表現だったように、今作『Ginkgo』にも変わらぬ誠実さが貫かれています。デイヴィスが「君は葉を落とすよう命じる / イチョウの木は意のままに枝を曲げる」と歌うタイトル曲「Ginkgo」では、コントロールの限界、協力、そして運命についての思索が描かれ、偶然と芸術性、そして明確な意志によって復活を果たしたバンドにとってふさわしい瞑想のような一曲となっています。