2025年アカデミー長編ドキュメンタリー部門にノミネートされ、世界30以上の映画祭で最優秀賞や観客賞を受賞。陰謀渦巻く歴史の闇をジャズが直撃する、壮絶なドキュメンタリー映画『叛逆のサウンドトラック』。今回、8月7日(金)の全国順次公開を目前に控え、8月7日公開初日の10時50分の回上映終了後にBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて、音楽家で文筆家でもある
菊地成孔のトーク・イベントが行なわれることが決定しました。
本作は、アーカイブ映像だけで作り上げた壮大な映像詩。アフリカ独立と冷戦に揺れる歴史の裏側を
ルイ・アームストロング、
ディジー・ガレスピー、
ニーナ・シモンら政治に利用されたジャズ・ミュージシャンの演奏とともに描きだしたものです。伝説的な音楽家、思想家、政治家、軍人、スパイたちが入り乱れる歴史の闇を、ダイナミックな編集とリズム感で畳みかけるように描写し、一瞬も目が離せない映像が展開されます。
中心的に描かれるのは、1960年、ベルギー領コンゴの独立直後から始まったコンゴ動乱。クーデターが起き、首相ルムンバ惨殺されますが、その死後も1965年まで続いたこの内乱に、ベルギー政府と米国が積極的に関与したことが、映画では余すことなく証言によって語られます。
また、ポスターのど真ん中に座る女性、「黒いパショナリア(女性活動家)」の異名をとるアンドレ・ブルアンにも注目です。ルムンバのスピーチ・ライターを担い、ルムンバ失脚を狙うベルギーの裏合意を暴く極秘文書を欧州で発表するなど、数々の命の危機を乗り越えながら活動した女性革命家。歴史の表舞台には出にくい、アフリカ女性たちの解放に力を入れた革命家ブルアンが描かれるのも、本映画の意義深いところです。
映画は、ルムンバ、
マルコムX、ンクルマ(ガーナ初代首相)、カストロなど、高潔な大義を掲げた政治的指導者、また彼らとともに闘ったアンドレ・ブルアンの言葉を、全編実録映像と音楽により数十年以上の歳月を経て私たちのもとへと届けます。
登壇する菊地成孔は、本作のパンフレットに寄稿するために、100回本作を見たと言います。曰く「100回見た。100回見るための日程を査定し、100回観てから本稿を執筆するように、締切を延ばして貰った。100回観ないと、一体何が起こっているのかがわからないと思ったからである」とのこと。
菊地成孔はジャズメンとして活動、軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽・著述活動を旺盛に展開し、ラジオ・TV番組でのナヴィゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画・テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々、その仕事は一個人とは思えないほど多彩です。しかも、そのすべてに一貫して強い実験精神と大衆性、独特のエロティシズム、そして異形のインテリジェンスが発揮されています。現代東京の知性と感性を体現する彼が、映画についてどのように語るのか、期待が高まります。
©2024 ONOMATOPEE FILMS BV, WARBOYS FILMS S.A.S., ZAP-O-MATIK, BALDR FILM,RTBF, VRT, JOHAN GRIMONPREZ