エックス・エックスのソングライター / ベーシスト / ヴォーカリストとして知られるオリヴァー・シム(Oliver Sim)が、ソロ・デビュー・アルバム『Hideous Bastard』を9月9日(金)に発表します。ホラー映画への愛と、みずからの人生経験からインスピレーションを得た、恥、恐怖、男らしさをテーマに、制作に2年かけたというこのアルバムは、
ジェイミー・エックス・エックスによるプロデュース。収録曲「Hideous」が新たに公開されています。
「Hideous」には、オリヴァーの“生涯のヒーローで守護天使”でもあるシンセ・ポップの先駆的グループ、
ブロンスキ・ビートや
コミュナーズで知られるジミー・サマーヴィルをゲスト・ヴォーカルとしてフィーチャー。また、オリヴァーが17歳の頃からHIVと共に生きていることを初めて公にした、非常にパーソナルな1曲となっています。この曲の公式ビデオは、映画『真夜中過ぎの出会い』のヤン・ゴンザレスが監督。シムとゴンザレスが製作した同名のショート・フィルム『Hideous』が今年のカンヌ映画祭の批評家週間で特別上映されます。
また、アルバムの日本盤CDには解説および歌詞対訳が封入され、ボーナス・トラックを追加収録。Tシャツ付バンドルも数量限定で発売されます。輸入盤は、通常LPやカセットテープに加え、数量限定レッド・ヴァイナルが同時発売されます。
[コメント]アルバム『Hideous Bastard』の制作の初期に、自分自身が恐怖と恥について沢山書いている事に気がついたんだ。しかし最近、このような感情に対する最良の解毒剤は、問題を表面化させ、それに光を当てることだと信じるようになった。このレコードは、くよくよするために書いたのではなく、むしろ自分が長い間感じてきた恥や恐怖から自分自身を解放するために書いたんだ。というのも、このアルバムを書きレコーディングするという経験は、自分にとっての恐れや恥と全く逆のものだったから。
このアルバムの3分の2が終わった時点で、このアルバムがどんな内容なのかがよくわかったけど、自分が最も恐れや恥を感じている、ある一つの事に執着し続けていることだと気付きました。それは自分がHIV感染者であること。17歳のときからHIVと共に生きており、17歳から大人になるまで自分自身をどう感じるか、他人が私に対して感じていることについてどう自分が考えるかに影響を与えてきた。
だから、かなり衝動的に「Hideous」でそのことを書いた。それを世に放ち、終わりにしようと思った。その曲を母に聴かせたところ、母が自分の保護者であり賢明な母親として、これまで聞いたことのないようなアドバイスをくれました。彼女は、人生に関わる人々と会話する時間を持つことを提案しました。まだ話していない人、あるいは話したことはあるけれどそれ以上話したくない人。「Hideous」を書いてから、この2年間はそうした会話をすることに費やしてきました。最初は難しく、居心地が悪かったけど、今ではずっと自由な気持ちでいられるようになり、自分自身や自分の人生に関わる多くの人々との関係も強まっている。
その中でもジミー・サマーヴィルとの関係は特別なものだった。「Hideous」では、曲の中に守護天使を登場させ、自分自身が聞くべき言葉を歌ってほしいと思っていました。ジミーは何十年もの間、HIVとAIDSに関する力強い声を発してきただけでなく、文字通り天使のような声を持っているんだ。単純に完全なファンとして彼にコンタクトを取ったんだけど、今では本当の親友だと思っている。彼は、自分のために歌を作ることを勧めてくれました。彼は、“魅力(glamour)”がスコットランドの言葉であることを教えてくれました。そして何より、彼は自分自身をあまり真剣に受け止めすぎないように、そうすると良いことはないんだと思い出させてくれた。
“私って醜い?(Am I Hideous?)”は今、世間に対して質問しているわけじゃないよ。答えはわかっているから。まだ怖い気もするけど、この音楽を皆と共有できることに興奮しているし、皆が楽しんでくれることを願っています。愛をこめて。―ーOliver SimPhoto by Casper Sejersen