パーカッション奏者のボンジョ・アイヤビンギ・ノアとプロデューサーの
エイドリアン・シャーウッド を中心に結成された「On-U Sound」の伝説的プロジェクト、
アフリカン・ヘッド・チャージ (AFRICAN HEAD CHARGE)が、12年ぶりの新作『Trip To Bolgatanga』を7月7日(金)にリリース。あわせて、新曲「Microdosing」がMVとともに公開されています。さらに12年ぶりとなる来日公演も決定。こちらは後日詳細が発表されるとのことです。
結成メンバーのボンジョは、アルバムの間隔が大きく空いたことについて「12年という時間が経つ間、私はガーナで家族と過ごしていたけど、創作は続けていた。まだまだ自分には世に問うべきことがたくさんあるってことは、きっとわかってもらえるだろう。人生の中で、この時期は仕事もしたかったけど、家族との時間も大切にしたかった。毎日を愉快に過ごしながら、創作にも精を出した。何といっても幸せなことがあれば、いっそう創作に前向きになれるものだし、最大の幸福は家族といることなんだから」とコメント。
続けて、自身がレコーディングを主導し、エイドリアン・シャーウッドが再び制作の指揮に携わった本作ついて「ドラム演奏にしても、詠唱するようなチャントの歌唱にしても、できるまでには時間がかかる。私はひたすらガーナ全土に赴いてドラム奏者たちに会ってきた。ファンテ、アキム、ガー、ボルガタンガといったあらゆる部族が、それぞれに異なるドラムの文化を持っている。僕はできる限り多くを学び、組み合わせてひとつの形にしようと模索している。これは料理に似ている。すべての材料、例えばヤム(ヤマイモ)、バナナ、カボチャを混ぜ合わせると、そこに施す最終的な味付けが肝心だ。私は音楽をそういうふうに捉えている。さまざまな要素を集め、それを味わえば『いいね、これはいい味付けだ。いいね、これはいいサウンドだ』という言葉が出てくる。これこそがアフリカン・ヘッド・チャージの存在意義なんだ。ありとあらゆる組み合わせを追求して、それをエイドリアンのところに持って行けば、さらに新しいものを作るために彼が力を貸してくれる」と話しました。プロデューサーを務めるエイドリアン・シャーウッドも同意見で「アフリカン・ヘッド・チャージにふさわしい素材を選び抜き、それからオーバーダビングやミキシングを楽しみながら完璧なものに仕上げていくということをずっとやっている。これまで常にいい関係で仕事を続けてきたけれど、今回のアルバムで自分たちは史上最高の結果を出せたと思う」と語っています。
今回のアルバムは、音楽の本質を共有する大家族のようなメンバーたちが現場に戻ってきた印象。マルチ楽器奏者の
スキップ・マクドナルド と、彼と
タックヘッド でともに活動する
ダグ・ウィンビッシュ の2人は、さまざまなトラックに参加してその力を発揮。かつて90年代初めにアフリカン・ヘッド・チャージに関わっていたドラムのペリー・メリウスは、正統派の重厚なリズムを3つの楽曲に加えています。新鮮な顔ぶれとしては、管楽器やリード楽器は
ポール・ブース 、リチャード・ロズウェル、デイヴィッド・フルウッドが担当。キーボードは、ラス・マンレンジとサミュエル・ベルグリッター。ギターはヴィンス・ブラック。さらにはシャドゥ・ロック・アドゥ、メンサ・アカ、アカヌオエ・アンジェラ、エマニュエル・オキネらによるパーカッション、イヴァン・“チェロマン”・ハシーによるストリングス、ゲットー・プリーストによる力強い歌声も。さらに、特別ゲストとして、伝統楽器コロゴの名手
キング・アイソバ がヴォーカルで参加。伝統的な2弦リュートの巧みな演奏を披露しています。
Photo Credit: Jeff Pitcher VIDEO