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Char、開設100周年を迎えた日比谷公園大音楽堂でライヴを開催 レポート到着

Char   2023/05/15掲載(Last Update:23/05/18 10:44)
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Char、開設100周年を迎えた日比谷公園大音楽堂でライヴを開催 レポート到着
 数々の伝説のライヴの舞台となった東京・日比谷公園大音楽堂が開設100周年を迎えたのを記念して、5月13日にCharが公演〈祝・日比谷野音 100周年 Char LIVE 2023〜Smoky Medicine〜〉を日比谷公園大音楽堂で開催しました。伝説のバンド“Smoky Medicine”のメンバーだった金子マリ(vo)、鳴瀬喜博(b)、佐藤準(key)と、ドラムには2009年になくなった藤井章司の代わりに古田たかしが集結したほか、アンコールでは沖縄のバンド“”のギタリスト、比嘉清正が登場。Charと熱いギター・バトルを披露しました。このライヴのレポートが公開されています。

 また、Char、紫とBOWWOW G2の3組が出演する〈再現1977〜日本のロックの夜明け前〜〉が8月19日(土)に日比谷公園大音楽堂で開催されます。

[ライヴ・レポート]
 日比谷公園大音楽堂(以下、野音)は、今年7月に開設100周年を迎える。その節目を祝うイベントが毎週のように開かれているが、5月13日はロック・ギタリストのCharがそのステージに立った。

 日本のロックの重鎮のひとりであるCharは、1979年7月に『Free Spirit』と題した無料コンサートを開催。入れ切れなかったファンが野音を何重にも取り巻き、動員記録を樹立し、伝説のライブとなった。その後もCharはたびたび野音でライブを行なっているので、まさに100周年を祝うのにふさわしいアーティストだ。

 今回のライブのテーマは「Smoky Medicine」(スモーキー・メディスン)。1973年に結成されたこのバンドは、18才だったCharをはじめメンバーが超若かったのにもかかわらず、演奏力と表現力の高さで大きな注目を集めた。しかしプロ・デビューすることなく翌年解散してしまったので「幻のバンド」と呼ばれている。この日はオリジナル・メンバーのChar(G/Vo)、金子マリ(Vo)、鳴瀬喜博(B)、佐藤準(Key)に加えて、09年に逝去したドラマー藤井章司に代わって古田たかしが参加。「幻のバンド」が50年の時を経て蘇るとあってチケットは即ソルドアウトし、約3000人のオーディエンスが野音に詰めかけた。

 朝からの雨が上がった17時にライブがスタート。サポート・パーカッションを含む6人のメンバーがステージに登場すると、会場から大きな拍手と歓声が起こる。1曲目は「Going Down」だ。Smoky Medicineはオリジナル・アルバムを残していない。それでも当時の彼らはライブで実力を示した。その際、オリジナル曲の他、洋楽カバー曲でセットリストを構成していた。「Going Down」は第2期ジェフ・ベック・グループの曲で、Smoky Medicineはこのグループのナンバーを得意のレパートリーにしていたから、まずは自分たちのルーツを披露しようというわけだ。その心意気に会場は沸き、Charの力強いギターがバンドと野音を牽引していく。

 「この舞台にこのメンバーで立つのは50年ぶり。まるで昨日のことのようだね。ジェフ・ベックがあっち側に行っちゃったんで、トリビュートも兼ねてやります」とChar。

 ベックは今年1月に亡くなった。エリック・クラプトン、ジミー・ペイジと並んで3大ギタリストと称されたギター・ヒーローは、CharだけでなくSmoky Medicineの他のメンバーにも大きな影響を与えた。立て続けに5曲。追悼の気持ちがこもったセットリストだ。4曲目の「Tonight I'll Be Staying Here With You」で、Charがベックを彷彿とさせる鋭い高音をギターで発すると歓声が上がる。オーディエンスも年季の入ったロックファンで、このライブの意義深さが感じられる瞬間だった。70年代前半の世界最先端のロックを日本の10代の若者たちが演奏していたのだから、当時の音楽ファンは驚いたに違いない。

 オリジナル曲やメンバーのソロ作品などを取り混ぜてライブは進行する。Smoky Medicineはアマチュアのまま解散したが、メンバーたちはそれぞれその後のロックシーンをリードする存在となり、互いのレコーディングに力を貸し合った。金子マリの「Get To Paradise」や「Don't Cry My Baby」は、Smoky Medicineがあったからこそ生まれた佳曲だろう。

 中でも印象に残ったのは、日本語詞のラブバラード「HONEY」だった。金子が切々と歌えば、佐藤のピアノがそれを包み込む。鳴瀬と古田がどっしりとしたビートを刻み、そのすべてを受け止めて弾くCharのギター・ソロが出色の出来だった。静まり返って聴き入るオーディエンスからため息が漏れる。曇天の野音そのもののような演奏に全員が酔いしれたのだった。

 ライブ後半はCharが鳴瀬に提供した「Sixty Sicks」など、アッパーな曲が並ぶ。本編最後の「SHOW WHAT YOU’VE GOT INSIDE OF YOU」で観客は総立ちになり、Charのリードするコール&レスポンスで野音の100周年を盛大に祝った。 

 アンコールはスリー・ドッグ・ナイトのカバー「Joy To The World」から。ソウルフルな金子のボーカルが爆発する。続いてサプライズ・ゲストが登場。Charとは50年来の親交がある沖縄のベテランロックバンド「紫」のギタリスト比嘉清正だ。比嘉とCharが握手でも交わすようにギターで絡み合った後、ジミ・ヘンドリックスの名曲「Purple Haze」のセッションに突入したから、会場はおおいに盛り上がる。70年代から日本のロックを引っ張ってきたギタリスト同士の魂の会話が、ロックの殿堂・日比谷野音に響き渡ったのだった。

 ちなみにここ野音で8月19日に行なわれる話題のイベント『再現1977』ではCharと紫とBOWWOWが競演するが、その予告編のようなギターバトルに期待が大きく膨らむ。ファン必見のライブになることだろう。

 ラストはCharの代表曲「SMOKY」。Charは自らの原点のひとつであるSmoky Medicineでこの曲を演奏する歓びを素直に表わした。日本のロックの創成期を間近で見る思いがする、素晴らしいライブだった。


文: 平山雄一
Photo by Shiho Hajyu


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Char official site
www.zicca.net

「再現1977〜日本のロックの夜明け前〜」
www.red-hot.ne.jp/45th/saigen1977
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