5人組ヒップホップ・グループ、DOBERMAN INFINITYが、日本の伝統文化・花火を応援する「日本の花火『エール』プロジェクト」のアンバサダーに就任し、応援ソングを制作することが決定。楽曲はチャリティー・ソングとして配信される予定（発売時期など未定）で、収益の一部は今回のプロジェクトを通じて花火業社および花火師向けの支援に役立てられます。

　日本の夏の風物詩“花火”。例年であれば全国の花火師たちは今、最も忙しい夏への準備で多忙を極める時期。しかし、新型コロナウイルスの影響により、日本三大花火大会として知られる秋田・大仙市の全国花火競技大会「大曲の花火」や、新潟・長岡の「長岡まつり大花火大会」が中止を発表するなど、全国各地の花火大会が中止や延期を強いられています。イベントの中止による経済的打撃はもちろんのこと、披露する機会を失って倉庫に眠る大量の花火玉により、新たな花火の製造もままならない状態が続くなど、全国の花火業者は未曾有の危機に直面しています。

　全国の花火師たちはそんな苦境に立たされながらも、悪疫退散祈願や人々に希望や元気を届けることを目的に、無告知のサプライズ花火を自己負担で打ち上げるなど、多くの人々に感動を与えています。

　これまで多くの人々を楽しませ、感動を与えてくれた花火師の職人技を守るため、今度は花火を見る側が花火師たちを支援しエールを送るために、NPO法人大曲花火倶楽部や日本花火鑑賞士会など、花火愛好家で結成された「日本の花火を愛する会」がこのほど発足し、同プロジェクトを始動。クラウドファンディングで寄付金を募り、行き場を失った花火玉の打ち上げを依頼することで、花火業界を支援する形となります。

　今企画に参加を表明した花火業者は、全国29都県81社。感染症対策のため、打ち上げ日時や開催場所は非公開であるものの、メンバーのSWAYは「ワクワクドキドキ感を一緒に感じてもらえれば」と呼びかけました。“同日同時刻”に全国各地で一斉に「エール花火」を打ち上げることで、新型コロナ感染症で亡くなった方々への鎮魂と慰霊、医療従事者への激励、不自由な生活を余儀なくされている人々へ想いを届けます。

　プロジェクト関係者は「若い世代に人気があり、元気で前向きになる曲を歌っているDOBERMAN INFINITYを通じて、少しでも多くの若者に、今のこの苦境を知っていただきたい」と起用理由を説明。大役に任命され、SWAYは「大好きな花火が打ち上がるだけでなく、自分たちがアンバサダーとして盛り上げさせていただけるということが何より光栄です」と喜びを語り、P-CHOも「名誉あるお話をいただけて凄く嬉しかった。花火が打ち上がるワクワクを楽しみながら、全力で盛り上げていきたい」と意気込んでいます。

　さらに応援ソングを制作し、収益の一部をチャリティーとして寄付するなど、楽曲でも花火師らを支援。運営サイドによると「エール花火」の打ち上げと連動した楽曲の使用も検討しているとのこと。P-CHOは「花火が打ち上がっている瞬間のように、楽曲を聴いていただいている間は何もかも忘れることができて、純粋に楽しい気持ちになってもらえるような楽曲になれば」と語ると、SWAYも「聴くだけで夏の素晴らしさを感じられるような楽曲をお届けできるように、全力で取り組ませていただきます！」と力を込めました。

　新型コロナにより大きな打撃を受けたのは、エンタテインメント業界も同じ。DOBERMAN INFINITYが所属するLDHでも、年間300万人以上の動員を予定していた〈LDH PERFECT YEAR 2020〉の168公演にも及ぶライヴが中止に。DOBERMAN INFINITYも、3月7日から開催を予定していた47都道府県ツアーが中止となっています。

　しかし、P-CHOが「ライヴが中止になってしまい残念な気持ちでいっぱいですが、DOBERMAN INFINITYらしく音楽でエールを届けられるように、気持ちは常に明るい未来に向かっていたい」と語るように、LDHは6月15日にエンタテインメントの“再開”を発表。7月から新たに開催する有料配信ライヴ「LIVE×ONLINE」や、政府による段階的緩和のガイドラインのもと、8月以降には各地域の自治体と連携しながら「ソーシャルディスタンス・ライヴ」の開催を計画していることを明かにしています。

　DOBERMAN INFINITYも7月4日（土）に有料配信ライヴを控えており、2019年11月以来7ヵ月ぶりとなるライヴで“花火”を打ち上げます。