フランク・ザッパの知られざる原点と、最晩年の歴史的演奏を聴き比べることができる2作品『クカモンガ・イヤーズ1962-1964 ザ・アーリー・ワークス・オブ・フランク・ザッパ』『アデュー C.A.』が、2026年12月9日(水)にリリースされます。
『クカモンガ・イヤーズ1962-1964 ザ・アーリー・ワークス・オブ・フランク・ザッパ』は、『FREAK OUT!』以前、20代前半のフランク・ザッパが作曲家 / ギタリスト / アレンジャー / プロデューサーとして才能を開花させた1962~64年を捉えたもの。唯一無二の“ザッパ・ワールド”誕生前夜を刻んだ、知られざる初期音源13曲を集成した「ザッパ前史」と言える内容がデジタル・リマスタリング&紙ジャケットでリリースされます。
1960年代初頭、カリフォルニア州クカモンガ。若きフランク・ザッパは、ポール・バフが運営するPAL Recording Studioを拠点に、ローカル・シーンのさまざまなレコーディングに参加していました。本作はドゥーワップ、R&B、サーフ / ホットロッド、ノヴェルティ・ソングが入り乱れるその時代に、ザッパが関わった貴重音源を集成。
レイ・コリンズとの共作による
ペンギンズ「Memories Of El Monte」をはじめ、Baby Ray & The Ferns、Bob Guy、
ハリウッド・パーシュエイダーズらによる楽曲が並びます。
奇妙なユーモア、R&B、ドゥーワップへの深い愛情、ギター・サウンドへの執着、そしてスタジオそのものを楽器として捉える発想など、後の膨大な作品群へとつながる“ザッパの萌芽”がすでに随所に垣間見え、やがてPALを引き継ぎ「Studio Z」と改称し、1966年の
The マザーズ・オブ・インヴェンション『
FREAK OUT!』へ。20世紀最大級の音楽的異端児はいかにして生まれたのか。その原点を紐解くザッパ・ファン必聴の歴史的ドキュメントとなっています。
一方、『アデュー C.A.』は1991年6月24日、プラハで開催された歴史的コンサート〈ADIEU C.A.〉を収録。ザッパが特別ゲストとして参加し、スリリングなギター演奏を披露した、最晩年の貴重なライヴ作品です。1968年「プラハの春」への軍事介入以来、長くチェコスロヴァキアに駐留したソ連軍。本作は、その撤退を祝してプラハで開催されたコンサートを記録したライヴ盤をデジタル・リマスタリング&紙ジャケで復刻したものです。
ステージの中心を担ったのは、ミハエル・コツァプ率いるチェコ屈指の異端ロック・バンド、
ブラジュスキー・ヴィービェル。ニューウェイヴ、ジャズ・ロック、プログレ、ファンク、アヴァンギャルドを呑み込んだ強烈な演奏を展開する彼らの前に、フランク・ザッパは特別ゲストとして登場。最大のハイライトは、ザッパがギターで参加した「Improvizace V A Dur S Frankem Zappou」。ミハル・パヴリーチェクらと繰り広げるスリリングな即興演奏は、単なるジャムを超え、長い抑圧を経て手にした「自由」とザッパの反骨精神が交差した瞬間を鮮烈に刻むものでした。
結果としてザッパ生涯最後から2番目の公のステージを収めた本作は、最晩年の極めて貴重な記録。音楽と政治、反骨と自由、そして歴史そのものが交差した一夜を封じ込められています。