藤倉大がアーティスティック・ディレクターを務め、今まさに生まれつつある新しい音楽を、誰もが気軽に楽しめる〈ボンクリ・フェス〉。2017年から続くこの音楽祭が、2026年3月1日(日)に東京・池袋 東京芸術劇場の管内各所で開催されます。東京芸術劇場での開催は今回が最後。〈ボンクリ・フェス2026〉開催に向けた、藤倉のコメントが公開されています。
〈ボンクリ・フェス2026〉は「コンサート・プログラム」「ワークショップ・プログラム」「誰でも楽しめる無料プログラム」からなり、有料公演の「コンサート・プログラム」はポーランド発の革新的な弦楽四重奏団“ネオ・カルテット”とライヴ・ビジュアルを担当するラドスワフ・デルバが音と光の幻想空間を作り出す「ポーランドの部屋〜弦楽カルテット×電子音×映像」、ノルウェーの音楽家
ヤン・バングが
ニルス=ペッター・モルヴェル、
アイヴィン・オールセット、
大友良英、藤倉大とともにジャズ×アンビエントのエレクトロ・セッションを披露する「ノルウェーの部屋〜ヤン・バングと仲間たちによるエレクトロ・セッション」、
アンサンブル・ノマドが英国を拠点に活動する現代作曲家リサ・イリーン、
テリー・ライリー、
蓮沼執太、ポーランド出身のジグムント・クラウゼ、藤倉大と多彩なプログラムを披露する「アンサンブル・ノマドの部屋〜室内楽アラカルト!」などを予定。
「ワークショップ・プログラム」は「コンサート・プログラム」にも出演するアンサンブル・ノマドとともに演奏を楽しむ「ノマドと遊ぼう!〜楽器と声でアンサンブル!」と、楽器の仕組みを体験しながら学ぶ「テルミンで遊ぼう!〜トーンマイスター石丸の実験質」。
無料プログラムは、東京芸術劇場のエントランスで開催される「アトリウム・コンサート」、
坂本龍一のアルバム『
async』の2chハイレゾ音源を坂本が愛したムジークエレクトロニック・ガイザイン社のスピーカー「RL901K」で聴く「asyncの部屋」、〈ボンクリ・フェス2026〉を締めくくる大友良英と藤倉大の即興パフォーマンス「クロージング〜大友良英スペシャルセッション」など。
プログラムの詳細は〈ボンクリ・フェス2026〉の公式サイトをご覧ください。
[コメント]2017年に、東京芸術劇場から「一度だけ劇場を自由に使って音楽祭をするとしたら、どんなことをしたいですか?」と聞かれたのが、ボンクリ・フェスの始まりでした。僕は「人間なら誰でも思う“新しい音が聴きたい!”という気持ちをテーマに、世界のあらゆるジャンルの音楽を紹介したい」と答えました。最初のボンクリでは、思いのほか、当日には長蛇の列ができていて本当に驚きましたし、それから7回も続くとは思ってもみませんでした。
これまでに紹介した作曲家は約200名、演奏曲は550曲にのぼります。他の作曲家のために力を注ぐことは、自分にとっても大きな学びであり、喜びでした。また、限られた条件の中で、より面白い企画を実現できるよう、僕と東京芸術劇場でいろいろな工夫を施しました。
東京芸術劇場で実施するボンクリとしては最後の今回、アメリカ、スロバキア、ノルウェー、ポーランド、イギリス、そして日本〜6か国のアーティストが集結します。過去7回分を1日でやっちゃうみたいな感じかなと思っています。ぜひ遊びに来てください!――藤倉 大