10年にわたりステージで育てられてきた音楽が、いまひとつの作品として世に放たれました。篠笛奏者・
狩野泰一 の最新アルバム『
WORLD PEACE(ワールド・ピース) 』が、4月8日(水)に発売されています。
本作は、篠笛という日本古来の楽器が持つ「呼吸」や「揺らぎ」、その響きそのものに深く向き合った作品です。世界30ヵ国以上で演奏を重ねてきた狩野泰一が、音楽を通して見つめ、感じ続けてきた感覚を、「平和・やすらぎ・共生」というテーマのもとに結晶させています。全13曲はいずれも、約10年にわたりライヴで演奏を重ね、時間をかけて磨き上げられてきた楽曲です。
篠笛と和太鼓を音楽の核に据え、そこにピアノが静かに呼応する編成は、音と音のあいだに豊かな奥行きを生み出します。旋律やリズムを誇張するのではなく、互いの音が空間に溶け合いながら進んでいくその佇まいは、聴く者の感覚を内側へと引き込み、静かな集中を促していきます。
和太鼓を担当するのは、元「
鼓童 」の中心的奏者として世界的に活躍してきた金子竜太郎。その一打一打は、篠笛の旋律を支える土台としてだけでなく、音楽全体に時間的・空間的な深みを与えています。ピアノには、ジャズを軸に多彩な表現を続ける
林正樹 が参加。旋律を前に押し出すのではなく、音の余白や陰影を丁寧に描き出すことで、アンサンブルに静かな崇高さをもたらしています。
さらにアルバムには、ギタリスト・
柴田亮太郎 とのデュオによる楽曲も収録されました。篠笛とギターという最小限の編成が生む密度の高い音の対話は、アルバム全体の流れに呼吸の変化をもたらし、聴き手の感覚をより深い場所へと導いていきます。
本作の発売を記念した全国ツアー〈「篠笛×和太鼓×ピアノ」~和洋融合の響き~ CD『WORLD PEACE』発売記念全国ツアー 2026〉も、5月より全国各地で開催されます。
中でも注目されるのが、狩野泰一の拠点である新潟県・佐渡島での公演。5月17日(日)、アミューズメント佐渡 大ホールにて行われるこのステージは、長年にわたりこの地で音楽と向き合ってきた狩野にとって、特別な意味を持つ公演となります。作品の根底に流れる時間感覚や土地の記憶が、最も自然なかたちで立ち上がる一夜となりそうです。
また、6月24日(水)・25日(木)には、東京・六本木 GT LIVE TOKYOにて2日間の公演を開催。狩野泰一(篠笛)、金子竜太郎(和太鼓)、林正樹(ピアノ)によるトリオ編成での演奏に加え、ステージ背面の270インチLEDビジョンでの演出もあり、これまでのコンサートではみられない演出も予定されており、没入型の体験ができることも期待されます。さらに、東京公演は両日ともライヴ配信を予定しており、会場と配信それぞれのかたちで音楽に心酔できる機会となります。
音が立ち上がり、空間を満たし、やがて静かに消えていく。その一連の時間すべてが体験として共有されるライヴの場で、『WORLD PEACE』の音楽は、録音とは異なる輪郭を持って聴き手の前に現れるでしょう。
音は、いま確かにここにあります。
狩野泰一『WORLD PEACE』は、篠笛の呼吸を通して、音楽を「体験する」ことの深さを静かに提示する作品です。
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