日本を代表するキーボード奏者の
難波弘之が8月26日(水)、自らの鍵盤生活50周年を記念したコンピレーション・アルバム『
難波弘之アンソロジー』をキングレコードとソニー・ミュージックレーベルズの2社から同時発売。
大学在学中にプロミュージシャンとしての活動をスタートした難波弘之は、1976年に
金子マリ&バックスバニーのメンバーとしてシングル「あるとき」でレコード・デビュー。1979年には初のソロ・アルバムにして現在も名盤との呼び声高い『
センス・オブ・ワンダー』をリリース。以降、キーボード奏者、作曲家・編曲家として現在もなお第一線での活躍を続けています。
今回同時リリースされたのは『夏への扉 ~ 難波弘之アンソロジー』(キング)と『
シルバーグレイの街 ~ 難波弘之アンソロジー』(ソニー)の2作。いずれも難波弘之のキャリアの中から選りすぐりの楽曲を収録した聴き応え十分の作品です。また今回は既発楽曲だけでなく、ボーナストラックとして未発表ライヴ音源も収録されており、難波弘之の多彩な魅力を存分に堪能できるアルバムに仕上がっています。
そしてこの度、1970年代よりライヴやレコーディングで活動を共にするアーティスト、
山下達郎から特別コメントが到着。折しも難波弘之がシティ・ポップの文脈で新たな注目を集めるなか、山下達郎のコメントには古くからの難波を知る人間ならではの含蓄があり、今回リリースされたアルバムに更なる深みをもたらしています。
また今回特別企画として、ベーシスト・
鳴瀬喜博と難波弘之による対談が、キングレコードによるアーカイヴプロジェクト「SOUND FUJI」、およびソニーミュージックによる“大人向け”サイト「otonano」にて、それぞれ公開中です。現在
CASIOPEAのメンバーとしても活躍する鳴瀬喜博は、難波弘之のレコードデビューのきっかけを作った重要人物。1970年代当時の日本のミュージック・シーンが詳細に語られており、非常に興味深い読み物となっています。気になる方は是非ともチェックしてほしいところです。
[コメント]我々の世代にとっての洋楽初体験は、ラジオや音楽雑誌メディアから流れてくる、多分に偶発的で雑多な情報によるものでした。それゆえに、優れた技能を持つ演奏者にとっては、広範で多彩なスタイルを習得できる恵まれた土壌ともなり得ていました。難波くんはその典型です。彼にとってはプログレもシティ・ポップも、技術的な両立はたやすいことでした。ただ、そのサブカル志向ゆえに、ポップ・フィールドに対しての衒いがあり、長い間プログレ寄りのスタンスを強調してきました。キャリア50年にして生まれた今回のアルバム企画は、精神的なゆとりの表出でしょう。プログレ、フュージョン、シティ・ポップ、どれも難波弘之。――山下達郎