国内のクロスオーヴァー / フュージョン系アーティストが集結したイベント〈LIVE IN TOKYO CROSSOVER NIGHT〉が暮れも押し迫る12月29日(土)、東京国際フォーラム・ホールAで開催されました。
トップに登場したのは、キーボードに大高清美を迎えた新生
カシオペア3rd。前半3曲は初期の代表曲を、4曲目には新生カシオペアでの新曲「ARROW OF TIME」を披露。ラスト・ナンバーとなった「ASAYAKE」では、イントロの
野呂一生のギター・カッティングが響くと、早くも場内はヒートアップ! この熱い洗礼にメンバーも応え、予定してなかったアンコール曲「ときめき(Tokimeki)」を急遽演奏。
2組目は9年ぶりの再結成となる音楽職人集団、
PARACHUTE。カシオペア3rdの勢いあるパフォーマンスとうって変わって、こちらはヴォーカル・ナンバー中心のゆったりとした演奏で会場を和ませる。MCでは「何よりも、9年ぶりに自分たちの曲を聴けるメンバー自身が誰よりも嬉しい!」と語っていた通り、全員がリラックスして楽しそうに演奏してるのが印象的なステージに。
3組目に登場したのは、
渡辺香津美 ART FUSION。挨拶代わりにと
ジョン・コルトレーン「Impressions」を演奏した後は、渡辺香津美、ベースのヤネク・グウィズダーラ、ドラムの
オラシオ“エル・ネグロ”エルナンデスという3人のメンバーによる火を吹くようなセッションが続く。まるで格闘技を見てるようで、実にスリリングなパフォーマンス! 圧巻はラスト、
YMO「Rydeen」。
……マニアックな音楽ファンなら思い出すのが、渡辺香津美も参加し1979年に行なわれたYMOのワールド・ツアー。30年の時を経て幻の名演が目の前で見られるとあり、場内は大興奮。前半はオリジナルのメロディラインに沿って静かにはじまりましたが、後半は各プレイヤーのインプロビゼーションの嵐! 特にヤネクの弾く5弦ベースは、時には歌うように、時には唸るようにと変化自在。まさに息もつかせぬ濃厚な40分に。
4組目は
鈴木 茂。1978年にリリースされた幻のフュージョン・コンピ『NEW YORK』に収められた「KENNEDY AIRPORT」を1曲目に演奏しファンをくすぐると、LA録音の名盤『BAND WAGON』(1975年)より3曲、
はっぴいえんど「花いちもんめ」など、初期の代表曲を次々に披露。MCでは「第1回の開催以来、このイベントに参加出来るのは僕にとって特別の想いがあります。お琴の音色の季節が近づいてますが、今日はギターの音をたっぷり楽しんでいって下さい!」と意気込みを語りました。
5組目には
ナニワエキスプレスの登場。デビュー35周年を迎え、この日はキーボード&サックス奏者の
青柳 誠も復帰して6人揃ってのフル・メンバーでの参加予定でしたが、ドラムの
東原力哉が体調不良で欠席。急遽、サポートで参加したのは弱冠15歳の天才少年ドラマーの平 陸! 30歳以上も年齢が離れた大先輩を向こうに、物怖じせず堂々としたスティックさばきで会場の喝采を浴びる!
そしてトリは
高中正義。トレードマークでもあるブルーのYAMAHA SGを引っさげ1曲目から大ヒット曲「BLUE LAGOON」を演奏すると観客も大熱狂! 黙々と代表曲を弾き続ける姿は孤高のギタリスト然としていましたが、MCではトーキング・モジュレーターを使って可愛い女性の声でトークと、意表を突くお茶目なサプライズ。「高校の時によく聴いてた曲やります!」と紹介し演奏したのは、
キング・クリムゾン「21世紀のスキッツォイド・マン」!
凄まじいまでに炸裂するギターがステージを縦横無尽に跳び回り、ヴォコーダーを使ったヴォーカルまで披露する大奮闘をみせる高中、鳥肌が立つほどの圧倒的なカッコ良さは観客を否応なくアゲていく。続いて「TROPIC BIRD」「READY TO FLY」と畳みかけるようにヒット・ナンバーを演奏し、ステージを締めくくりました。
全6組、5時間30分にも及ぶ長丁場となったこのイベント。会場に集まった観客、約4,500人の9割は男性。そのほとんどが80年代にフュージョンにどっぷり浸ったR40世代の元ギター小僧たち(転換時間には男子トイレに行列が出来るという光景も!)。スタンディングではなく全席指定席という環境、そして年末の冬休み時期の開催は、この世代を多いに満足させたはずでは? 7年ぶりの開催も大盛況となった〈LIVE IN TOKYO CROSSOVER NIGHT〉、今年も期待です!