ニュース

サンダーキャット、全公演完売ツアーから東京初日公演のレポートが公開 お気に入りの日本語は「なんで!」

サンダーキャット   2026/05/25 16:46掲載
サンダーキャット、全公演完売ツアーから東京初日公演のレポートが公開 お気に入りの日本語は「なんで!」
 サンダーキャット(Thundercat)が、4月発売のニュー・アルバム『Distracted』を携え、東名阪を巡ったジャパン・ツアーを5月23日の愛知・名古屋COMTEC PORTBASE公演にて完走。

 全公演ソールドアウトとなった4公演より、初日となった5月19日(火)の東京・豊洲PIT公演のライヴ・レポートが公開されました。また、この日のセットリストのプレイリストが、Apple MusicとSpotifyで公開されています。

 なお、ツアー会場で販売していた一部グッズが、5月31日(日)23:59までBEATINKのサイトにて受注生産受付中。好評を博したGEEKS RULE製シルクスクリーンTシャツも、数量限定でオンライン販売が決定しました。詳細は、BEATINKのサイトをご確認ください。

[ライヴ・レポート]
 サンダーキャットがやってくる。6弦ベースの超絶技巧と甘い歌声、そして何よりチアフルなそのキャラクター。最新作『Distracted』を引っ提げたジャパン・ツアーは全会場がソールドアウトとなった。

 東京公演初日の会場となった豊洲PITに足を踏み入れると、入場者特典として某有名カードゲームを模したサンダーキャットのキラカードが配布されていた。表面のテキストには「LAの音楽銀河からやってきた、六弦ベースを操る謎のミュージシャン」の記載も。雷猫をメインキャラクターに据えた某有名ゲームとの共振、ジャパニーズ・カルチャーを敬愛するサンダーキャットの遊び心は開演前から垣間見えていた。

 ステージには両目が怪しく光る猫型の要塞が構えている。開演の19時を少し回った頃に暗転すると一層目立ち、「Thunderwave」がSEとして響くと満員のフロアが沸き立つ。まずは頭にミラーボールを被ったドラマーのジャスティン・ブラウンが登場、ドラムソロで一気に高揚感を煽る。

 フルスピードでのパフォーマンスをいきなり披露し、たっぷりと歓声を浴びるとサンダーキャットがキーボーディストのデニス・ハムと共に入場。ピンクのシャツに黒いタイと変形のスラックス、どこかウィアードな制服ルックで颯爽と挨拶すると、軽いセッションから「Children of the Baked Potato」が始まった。オリジナルはレミ・ウルフとのデュオだが、トリオ編成では楽曲の骨子が表出するような手触りが生まれる。その上、高速。猫撫で声で歌うサンダーキャット、節々で挟むリックはこの世界で彼以外奏でることのできない代物だ。

 ソロを終えて万雷の歓声を受けるサンダーキャットが、黄金の六弦ベースを誇らしげに掲げる。そこにプリントされていたのはなんとスーパーソニック。前日にセガ本社を訪れていたサンダーキャットの透徹したオタクっぷりに観客も気圧される。ケレン味のあるルックを体現するかのように、AOR調の「Candlelight」を高速フュージョンに変化させて繰り出すと、「ベストミュージシャン、ベストコンポーザー、だよね?」というMCから「I Love Louis Cole」に雪崩れ込んでいく。ジャスティン・ブラウンとデニス・ハムが呼応しながらも各々のミュージシャンシップを競わせるようにソロを展開し、圧倒的な手数でグイグイと引き込んでいく。楽曲が終わるごとに両手を天に掲げたり正拳突きのポーズをしてみたり、サンダーキャットもいつもに増してハイテンションだ。

 観客にハンドクラップを煽る「Black Qualls」で一体感を演出すると、一層ハイパーな「How Sway / Uh Uh」のメドレーが始まる。必殺技と言わんばかりに六弦ベースとキーボードがユニゾンし、バンドは有無を言わさぬスピードのソロを次々に放っていく。『Distracted』のリリースツアーが始まる前よりコンビネーションを磨いていた3人だけあってか、楽曲から枝分かれするような長尺のソロへと心置きなく踏み込めるのが特徴的だ。ジャスティン・ブラウンの打感溢れるプレイとデニス・ハムのどこかレトロな音色──ゆったりとしたナンバーの多い『Distracted』のムードを反映したものだ──が足して2で割られることなく、サンダーキャットのフェイザーを纏った極彩色のベースラインと合流してサイケデリックに放散されていく。

 お気に入りの日本語は「なんで!」だというサンダーキャット。ピアノバラード調の「Pozole」でも隙あらば「なんで!」とシャウトして、独特のユーモア・センスを主張する。単なるベーシストやシンガーではなく、ジャパニーズ・カルチャーのオタクとして、また愛に溢れる表現者として、彼のキャラクターは満員の豊洲PITに迎えられている。『Distracted』(つまり、「注意散漫」)のテーマとも通じる「A.D.D. Through the Roof」に「Walking on the Moon」、さらに『スターウォーズ』シリーズへのジョークを飛ばして始めた「Anakin Learns His Fate」など、アルバムのAOR的な側面を強調するスロー~ミドル・テンポのナンバーが会場を包み込んでいく。

 ここからショーのクライマックスと言わんばかりにアッパーな「Funny Thing」、そしてシームレスに誰もが待ち望んでいた「Them Changes」へと突入。シンガロングを求め、首を縦に振るオーディエンスに唸るようなグルーヴで応答するサンダーキャット。そのテクニックに観客が大喝采を贈ると、ラストにはマック・ミラーにR.I.P.を捧げる「She Knows Too Much」を披露した。Vサインを掲げて腕を上下させるフロア、マック・ミラーのバースをサンダーキャット本人がラップするとこの日一番の歓声が上がった。LAで出会った数多の仲間たちへ、ミュージシャンとして最大級のリスペクトを捧げて本編は幕を閉じた。

 さらなるリスペクトを捧げたのはアンコール。デニス・ハムの長い独奏から再びバンドが揃うと、サンダーキャットの口からライアン・ポーターへの弔意が述べられた。ウェスト・コースト・ゲット・ダウンの創設者として、サンダーキャットを始めとしたLAジャズの潮流を決定づけたトロンボーン奏者は、5月16日に帰らぬ人となってしまったばかりだ。いつもより幾分か透き通った声で「A Message for Austin」を歌うサンダーキャット。同じくLAのピアニストであるオースティン・ペラルタに宛てた一曲、《Though you've traveled beyond/Your legacy lives on》という一節が切に響く。

 ベーシストであり、シンガーであり、オタクであり、そして何より愛に溢れる表現者であるサンダーキャット。大勢の仲間たちからラブコールを受ける理由は、あの日あの時フロアにいた者なら誰もが直感したはずだ。超絶技巧の破壊力と人懐っこさが同居した、圧巻のステージだった。


拡大表示


拡大表示


拡大表示


拡大表示


拡大表示

photo by Yukitaka Amemiya
text by 風間一慶


サンダーキャットDistracted Tour東京公演セットリスト・プレイリスト
linktr.ee/thundercat_jp_setlists

サンダーキャットDistracted Tour goods受注生産受付
Distracted Tour 2026 T-shirt
商品ページ:beatink.com/products/detail.php?product_id=15815

雷猫 T-shirt
商品ページ:beatink.com/products/detail.php?product_id=15816

Thundercat 世紀末 T-shirt (Black)
商品ページ:beatink.com/products/detail.php?product_id=15817

Thundercat 世紀末 T-shirt (White)
商品ページ:beatink.com/products/detail.php?product_id=15818

Thundercat Paws T-shirt produced by GEEKS RULE(※数量限定)
商品ページ:beatink.com/products/detail.php?product_id=15839
最新ニュース
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。