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芸術の秋に楽しみたい! 演出で魅せるアーティストのライヴ特集

2026/10/23掲載
芸術の秋に楽しみたい、ライヴ演出が魅力のアーティストを教えてください。
芸術の秋に楽しみたい! 演出で魅せるアーティストのライヴ特集
 芸術の秋――音楽を「聴く」だけでなく「観る」楽しみを味わってみてはいかがでしょうか。アーティストのライヴは、歌や演奏はもちろん、映像や照明、舞台装置、ダンスなど、さまざまな演出が一体となって生まれる総合エンターテインメントでもあります。

 今回は、独自の世界観や圧巻のステージ演出で観客を魅了するアーティストに注目。思わず引き込まれるライヴの魅力と、その見どころを紹介します。

■嵐|会場全体を使った壮大なエンターテインメント
 数々の革新的な演出で、日本のライヴ・シーンに新たな可能性を切り開いてきた嵐。歌やダンスだけでなく、観客との距離や会場全体の見せ方まで工夫を凝らしたステージは、ライヴを総合エンターテインメントへと発展させてきました。

 その代表例のひとつが、2005年のライヴで登場した「ムービングステージ」です。透明な床を備えた可動式のステージが観客の頭上を移動し、メンバーが歌い踊りながらアリーナ席からスタンド席の近くまで向かうという画期的な演出。松本潤の発想から生まれたとされるこの仕掛けは、観客との距離を縮めるライヴ演出の先駆けとして知られています。

 さらに、2014年の〈ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN〉では、デジタル技術を駆使した演出が注目を集めました。無線制御システムを搭載したうちわ型の「ファンライト」を導入し、楽曲に合わせて客席の光の色を一斉に変化させることで、観客席そのものをステージ演出の一部に。会場全体が色鮮やかに染まる光景は、観客もライヴを作り上げる一員であることを感じさせます。

 さらに、国立競技場での公演では空中を舞うフライング演出、デビュー15周年記念ライヴ〈ARASHI BLAST in Hawaii〉でのヘリコプター登場など、会場のスケールを生かした大胆なパフォーマンスも披露。大型ビジョンや照明、舞台装置、観客参加型の仕掛けを組み合わせ、常に新しい驚きを届けてきました。

 観客の目線に立った発想と、テクノロジーを積極的に取り入れる姿勢。その両面からライヴの可能性を広げてきた嵐のステージは、音楽を“聴く”だけでなく、空間全体で“体験する”楽しさを教えてくれます。





■YOASOBI|楽曲の物語をステージ上で体感
 小説を音楽にするユニットとして、楽曲ごとに物語性のある作品を生み出してきたYOASOBI。ライヴでは、楽曲の世界観を視覚的にも表現する、ダイナミックなステージ演出が魅力です。レーザーやスモークを駆使した演出に加え、天井にも設置されたLEDビジョンがステージを立体的に彩り、空間全体を使った表現の幅を広げています。

 なかでも話題を呼んだのが、〈YOASOBI 5th ANNIVERSARY DOME LIVE 2024 “超現実”〉での登場シーン。LEDビジョンに映し出されたYOASOBIのロゴをモンスターの爪が切り裂くような映像に続き、モンスター風の衣装を身にまとった2人が姿を現す演出は、これから始まるステージへの期待を一気に高めます。映像や光、音楽を巧みに組み合わせ、観客をYOASOBIならではの世界へと引き込むライヴに注目です。





■DREAMS COME TRUE|夢のような空間を作り上げるステージ
 DREAMS COME TRUEのライヴを語るうえで欠かせないのが、音楽と大規模な演出が一体となったステージです。特に、4年に一度開催される〈史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND〉は、代表曲の数々を楽しめるだけでなく、観客を非日常の世界へと誘う仕掛けが詰まった特別な公演。

 次回の2027年開催にも期待が高まるなか、これまでの公演では、メリーゴーラウンドのようなセンターステージをはじめ、全長40メートル以上にも及ぶ超ロングドレスやフライングパフォーマンス、さらにはジェットコースターまで登場するなど、遊園地さながらの仕掛けが観客を圧倒します。巨大な舞台装置や華やかな衣装、大勢のダンサーがステージを彩り、華やかなパフォーマンスと迫力満点の舞台演出が一体となって、会場の隅々まで楽しませます。長年愛されてきた名曲も、ライヴならではのスケール感や臨場感が加わることで、新たな魅力を感じさせてくれます。



■Nissy|驚きと感動を届ける圧巻のエンターテインメント
 Nissy(西島隆弘)が総合プロデュースを手掛ける“Nissy Entertainment”は、一般的なライヴの枠を超えたエンターテインメント性が魅力です。水や炎、花火、レーザー、プロジェクションマッピングなど、次々と繰り出される迫力満点の仕掛けに加え、気球に乗って登場する演出など、観客を驚かせるアイデアが随所に盛り込まれています。

 2019年には、日本人男性ソロ・アーティスト史上最年少で4大ドーム・ツアーを開催。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとのコラボレーションも実現し、キャラクターがライヴにサプライズ参加した公演も話題となりました。ステージ上のパフォーマンスだけでなく、会場全体を使った演出によって、どの席からも特別な体験を楽しめるのが大きな魅力です。遠くのスタンド席から眺める景色も圧巻で、光や炎、映像が会場いっぱいに広がる光景は、まさに大規模なライヴならでは。映像でその演出を追いかけると、観る人を飽きさせない、音楽を届けるだけではない“Nissy Entertainment”の奥深さが見えてきます。



■Perfume|テクノロジーと身体表現が生み出す驚き
 Perfumeのライヴは、緻密に構成されたダンスと先進的なテクノロジーを融合させた演出が大きな魅力です。メンバーの動きと映像を精密に連動させる表現や、光・映像・空間を活用した仕掛けによって、ステージ上にこれまでにない視覚体験を生み出してきました。真鍋大度率いるライゾマティクスが演出に参加するようになったことで、プロジェクションマッピングやリアルタイムの映像処理など、先進的なメディアアートの技法が積極的に導入されるようになりました。

 なかでも、2015年に米国で開催された、音楽・映画・インタラクティブなどの複数領域が集結する融合型イベント〈SXSW〉で披露した「STORY(SXSW-MIX)」は、実際のパフォーマンスとCG映像が交錯し、現実と仮想の境界を行き来するような演出が話題となりました。

 そして、その表現は、テレビのステージにも。“コールドスリープ”前最後の出演となった『第76回NHK紅白歌合戦』では、ステージ上のLEDにNHKがこれまでの番組で収めてきた3人の姿が映し出され、最後にはその姿が粒子となって消えていく演出が披露されました。これまでの歩みを振り返りながら、ひとつの時代に区切りをつけるような演出は、多くの視聴者の印象に残りました。音楽、ダンス、映像技術がひとつになることで生まれる、Perfumeならではの表現に注目してみてはいかがでしょうか。





■SEKAI NO OWARI|ファンタジーの世界へ誘うライヴ
 独自の世界観を持つ楽曲で知られるSEKAI NO OWARI(写真)は、ライヴでもその物語性を存分に発揮しています。壮大なセットと緻密に作り込まれた演出によって、まるで物語の中に迷い込んだかのような没入感を味わえるのが魅力。ステージ上のパフォーマンスだけでなく、曲と曲の間にもこだわりが詰まっており、映画やテーマパークなどで用いられる、機械仕掛けの生き物や人形を動かす「アニマトロニクス」を取り入れるなど、観客を驚かせる仕掛けが随所に散りばめられています。

 その演出は、視覚的な驚きにとどまりません。観客を物語へと引き込むような展開に加え、シェフがステージ上で実際に肉を焼き、会場いっぱいに香ばしい匂いが広がるという、嗅覚まで刺激するユニークな演出も。音楽を聴き、ステージを観るだけではなく、五感を通してライヴの世界を体験できるのがSEKAI NO OWARIならではです。

 また、観客の声出しが制限されていたコロナ禍のライヴでは、オーケストラを取り入れた壮大な演奏も披露。歓声の代わりに会場いっぱいに響く拍手が、ステージと観客の一体感を生み出しました。細部まで作り込まれた世界観と、観客の記憶に残る大胆なアイデア。SEKAI NO OWARIのライヴは、音楽と演劇、テーマパークのような体験が融合した、唯一無二のエンターテインメントです。





 音楽を聴くだけでなく、映像や照明、舞台装置、そして思いもよらない仕掛けによって、観客をその世界へと引き込むライヴ。今回紹介したアーティストたちのステージからは、音楽の楽しみ方が無限に広がっていることを感じさせられます。演出の細部に注目してみると、いつもの楽曲もまた違った魅力を放つかもしれません。芸術の秋、ぜひ映像作品などを通して、心に残るライヴの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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