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冬に刺さる“声質” 寒い季節に聴きたくなる歌声特集【女性編】

2025/12/05掲載
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寒い冬におすすめの女性アーティストを教えてください。
冬に刺さる“声質” 寒い季節に聴きたくなる歌声特集【女性編】
 寒くなるとなぜか“声”が沁みる――。気温が下がるほど音の輪郭がくっきりと立ち、ヴォーカルの繊細さや温度がより一層際立つ季節。透明感のある歌声や、ほんのりあたたかいトーンが、冬の冷たい空気の中だとより耳に心地良く響きます。同じ楽曲でも、寒い季節に聴くと印象が変わることも。

 今回は冬に刺さる声質に注目して、寒い季節になるほど聴きたくなる女性アーティストの歌声をピックアップしました。帰り道の冷たい風にも、部屋で過ごす静かな時間にもそっと寄り添ってくれる声がきっと見つかるはずです。

幾田りら(写真)
 “小説を音楽にするユニット”YOASOBIのヴォーカルikuraとしても活躍する幾田りら。まるで“冬の朝に差し込む光”のような歌声は、澄んでいるのに冷たくなく、そっと触れるあたたかさを感じられます。高音のクリアさと息づかいの近さが絶妙で、静かな楽曲でも深い余韻を残せるのが魅力。楽曲「Answer」は、余白のあるアレンジの中で、“透明感×あたたかさ”という声の二面性を丁寧に感じられるナンバー。冬のプレイリストに優しく溶け込むシンガーです。



宇多田ヒカル
 寒い季節になるとより研ぎ澄まされたように響く宇多田ヒカルの歌声は、まっすぐで飾り気がないのに感情の機微がそのまま滲む独特の声質が特徴。そんな宇多田の魅力が際立つ楽曲「Flavor Of Life」は、透明感のある歌声と切なさの余韻が冬特有の“少し心が敏感になる感じ”と見事に合います。一方で「君に夢中」では、柔らかさの中に強さが混ざる低音、語りかけるような温度感で、同じ声なのにまったく違う表情を見せます。声ひとつで景色を変えられるアーティストです。



Uru
 柔らかくじんわり広がるあたたかな灯りのような歌声を持つUruは、声の伸びや響きの透明度が高く、冬の静けさと相性抜群。楽曲「それを愛と呼ぶなら」は、同じ優しさの中に強さが混ざり、Uru特有の儚さと芯のある響きがより際立つ一曲。孤独感や不安が大きくなりがちな冬にそっと寄り添い、前へ進ませてくれる歌声は、気持ちを整えたい瞬間にもぴったりです。



Aimer
 深くてあたたかいハスキーヴォイスが魅力のAimer。低温はあたたかく、高音は光の粒のようにきらめき、冬の空気と溶け合うように響くその声は、聴くだけで景色が美しく変わっていきます。野田洋次郎RADWIMPS)提供&プロデュースによる楽曲「蝶々結び」は、優しく寄り添う声と、ほどけそうでほどけない繊細な感情が重なり、「うつくしい世界」では、まるで白い息が音になったような余韻を残し、声の“深さ”が際立ちます。冬の景色にひときわ深い色を添えてくれるアーティストです。



手嶌葵
 深呼吸するように穏やかで、透明感抜群の歌声は、静かに心をあたためてくれます。冬の夜や気持ちを落ち着かせたいときにそっと寄り添ってくれるような声質が魅力。ドラマ主題歌として話題となった楽曲「明日への手紙」は、丁寧に語りかけるような歌い方と、切なさの奥にある希望の温度が絶妙で、声の“落ち着き”と“柔らかさ”が冬の静かな時間に馴染みます。押しつけず、照らしすぎず、ただ優しく包み込んでくれる声が冬の季節に癒しを与えてくれます。



中島美嘉
 凛とした透明感とほんの少し影をまとった静かな響きが魅力の中島美嘉の歌声は、冬そのものの質感がありつつ、“内側でそっと燃えるあたたかさ”を感じさせる独特の声で、寒い季節に聴くほど深く沁みていきます。その象徴ともいえる楽曲「雪の華」は、静かに始まり、雪がひとひらずつ降り積もるように感情が広がっていきます。凍える空気の中に、そっと灯りをともし、冬を美しく見せてくれるアーティストの一人。



羊文学
 日本のオルタナティヴ・ロック・バンド“羊文学”の歌声とサウンドは、淡くてどこか遠いのにちゃんと心の奥で響く“温度のある冷たさ”が特徴。塩塚モエカ(g,vo)の歌は、感情をそっと置いていくような佇まいで、聴くほどにじわじわ沁みます。楽曲「1999」は、淡々と進む中に静かな焦燥やノスタルジーが感じられ、透明感のある歌声が浮遊感のあるサウンドと混ざり合い、冷えた空気にフィットします。淡さの中に確かな芯がある、冬に沁みるバンドです。



藤原さくら
 冬の静けさにしっとり馴染む、柔らかいスモーキーヴォイスが特徴の藤原さくら。まるで冬の夜に漂う柔らかい煙のようにふわっと広がり、軽やかさと深さが同居した独特の声質は、寒い季節にぴったり。自身が女優デビューを果たした月9ドラマ『ラヴソング』の劇中歌「好きよ 好きよ 好きよ」は、柔らかいトーンで紡がれる“好き”の温度がリアルで、切なさやあたたかさがじんわり染み込んでいきます。一方「The Moon」は、藤原の声の余白の美しさがぐっと前に出て、月明かりのように淡く、夜の冷たい空気を静かに照らします。



ヨルシカ
 ヨルシカの“透明な温度”は冬の空気と相性抜群。suisのまっすぐで澄んだ声が、感情を繊細にすくい取り、“思い出の温度”や“言葉にならない気持ち”をそのまま音にしたような音楽が魅力。楽曲「アルジャーノン」は、物語のように進む言葉と、消えてしまいそうな優しい歌声。守りたくなる脆さと、立ち上がる強さが同時に存在する一曲。透明なのに深く刺さる声で空気を変えることができるアーティストです。



鷲尾伶菜
 まっすぐ届く透明感の中に甘さ、芯の強さも感じられ、その独特のバランスが魅力。かつて所属していたFlowerの代表曲ともいえる「白雪姫」は、冷たい空気に溶けていくような柔らかい歌声と、胸の奥にじんわり広がる切なさが美しく重なり、淡くて儚い空気をまとった一曲。YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」ではピアニスト・清塚信也とともにピアノとヴォーカルだけのスペシャルアレンジを披露しています。痛みも優しさもそっと置いていくような、冬の物語を歌う声で、聴く者に感動を与えます。



 なぜかいつもより“声”がまっすぐ響いてくる寒い季節。そんな冬の感受性にそっと寄り添ってくれる女性アーティストたちを紹介しました。気持ちをあたためる楽曲、静けさを彩る楽曲、胸の奥が少し締め付けられる楽曲――。今年の冬が音楽とともに少しだけ優しくなりますように。皆さんが冬に聴きたくなる女性アーティストは誰ですか?
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