80年代に
マイケル・ジャクソンや
マドンナのパロディで名を広めたアメリカ・カリフォルニア州出身のミュージシャン、
アル・ヤンコビック(ウィアード・アル・ヤンコビック)ことアルフレッド・マシュー・ヤンコビックは、1959年10月23日に誕生しました。
ヤンコビックは、大学在学中に自主制作した
ザ・ナック「マイ・シャローナ」の替え歌「マイ・ボローニャ」がラジオで注目されると、1983年に1stアルバム『ウイヤード・アル・ヤンコビック』を発表。翌年にマイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」の替え歌「今夜もイート・イット」で大ブレイク。MTVでは、原曲そっくりに仕上げた同曲のミュージック・ビデオがヘヴィオンエアされました。
続けて、マイケル・ジャクソン「バッド」のパロディ「ファット」や、マドンナ「ライク・ア・ヴァージン」のパロディ「ライク・ア・サージン」、
ニルヴァーナ「スメルズ・ライク・ア・ティーンスピリット」のパロディ「
スメルズ・ライク・ニルヴァーナ」など、原曲を絶妙に遊んだ詞世界の楽曲と細かい部分まで研究して作り上げたパロディ・ビデオが大いに話題に。真似された側のマイケル・ジャクソンもヤンコビックの才能を認めて、「今夜もイート・イット」や「ファット」はマイケル・ジャクソン公認のパロディ楽曲にもなりました。その人気は日本にもおよび、プロモーションで初来日した際、当時のTVバラエティ番組『オレたちひょうきん族』のコーナー「ひょうきんベスト10」に出演してパフォーマンス。ちょっとした社会現象となり、パロディ音楽家として名を馳せました。
ただ、単なるパロディ・ミュージシャンではないのが、ヤンコビックのすごいところで、その後も
M.C.ハマー、
エミネムほか人気アーティストのヒット曲の替え歌と原曲に似たミュージック・ビデオを作り続け、“パロディ・ソングの帝王”として圧倒的な存在感を発揮。また、ポルカ・アコーディオン奏者としても優れた才能を持ち、2ndアルバム以降のアルバムには替え歌の「ポルカ・メドレー」が収録されているほどです。
アルバムセールスも1200万枚超、アメリカ国内ではプラチナディスク7枚を記録。グラミー賞へのノミネートも14回を数え、アルバム3枚が最優秀コメディアルバム賞、「ファット」がベスト・コンセプト・ビデオに輝き、計4度のグラミー賞を受賞しています。
2011年のアルバム『アルポカリプス』では、
レディー・ガガ「ボーン・ディス・ウェイ」のパロディ「パフォーム・ディス・ウェイ」をリード・シングルに掲げ、2014年には14枚目のアルバム『マンダトリー・ファン』をリリース。同アルバムは自身初の初登場全米1位を記録。コメディ・ミュージシャンの
アラン・シャーマンが1963年に発表したアルバム『マイ・サン、ザ・ナット』以来、51年ぶりにコメディ・アルバムとして全米1位となる歴史的快挙を達成しました。
(写真は、1992年リリースのアル・ヤンコビックのアルバム『
スメルズ・ライク・ニルヴァーナ』