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細野晴臣・福山雅治・斉藤和義 円熟の男性アーティストが揃う9月第2週の注目作

2026/09/08掲載
今週リリースされる作品の中で、チェックしておくべきなのは何ですか?
細野晴臣・福山雅治・斉藤和義 円熟の男性アーティストが揃う9月第2週の注目作
 9月第2週(9月7日[月]~9月13日[日])は、確固たるキャリアを築いてきた男性アーティストたちの新作が際立つ週となりました。

 まず、9月9日(水)には福山雅治の13枚目の『超新星』と、斉藤和義の23枚目のオリジナル・アルバム『日常Days』がリリース。ともに、CM楽曲を含むタイアップ曲が年中TVから流れ、広く親しまれる存在の新作です。

 『超新星』は、自身主演作『映画ラストマン』の主題歌として、B’z稲葉浩志とのコラボが大きな話題となった「木星」を筆頭に、映画『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』の主題歌「邂逅」など話題曲のオンパレード。中でも、かつて自身が大河ドラマ『龍馬伝』で演じた坂本龍馬と幕末を新解釈し、スウィングロックで描いた映画『新解釈・幕末伝』の主題歌「龍」、さらにウィスキー好きの福山らしく、語源となったゲール語をタイトルに冠した「ウシュクベーハー」は、福山の放つ濃厚な大人の色香に、ノックアウトされる仕上がり。本作は、初回限定音源盤と初回限定LIVE映像盤で特典内容が異なる点も魅力で、音源盤[New-Mix & Remastering Best Album 2000–2020]には、ファン投票曲を新ミックス&新マスタリングで収めた特別ディスクが付属。ちなみに投票1位は「明日の☆SHOW(2247票)」だったとのこと。ほかの結果は福山の公式サイトにて公開されています

 一方、斉藤和義『日常Days』も、丸山隆平×沢尻エリカのダブル主演映画『薔薇の鎖』への書き下ろし主題歌「黒猫のタンバリン」をはじめ、収録曲の多くがドラマ主題歌やCMソングという話題曲揃い。とりわけ、松嶋菜々子主演ドラマ『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』の主題歌「鏡よ鏡」では、斉藤の真骨頂であるギター・カッティングが炸裂。名曲「I LOVE ME」を思わせるアコースティック・ギターの絶品カッティングで駆け抜けながら、“自分の信念は決して自分を裏切らない”という物語を象徴するメッセージを力強く届けます。


 9月9日には、ポルノグラフィティの13枚目のアルバム『果実』も発売に。こちらもTVアニメ『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』のOPテーマ「はみだし御免」などのタイアップ曲が並ぶ中、NHK『みんなのうた』(2026年4~5月放送)の「マスク・ド・カメロ」も聴きどころ。メキシコのプロレス“ルチャ・リブレ”の世界を舞台に、悪役レスラーが覆面の下で抱える人間らしい葛藤を描いた一曲で、子どもはもちろん、悩みを抱えながら自分の道を進むすべての人の共感を誘う熱いナンバーとなっています。


 洋楽では、70年代末期の英国メタル・ムーヴメント“NWOBHM”から頭角を現し、解散と再結成を経ながら約50年活動を続けるベテラン、タイガーズ・オブ・パンタンの14作目『エレクトリファイド』(9月9日発売)に注目です。現在唯一のオリジナル・メンバーであるロブ・ウィアー(g)と、今年加入したジョン・フーティット(g)が刻むリフは、まるで某チョコレートのような“ザクザク感”と鋭さが同居。随所に現役メタル・バンドらしいアレンジも盛り込みつつ、サビでは往年のアンセム感を放つリード曲「Electrifyed」は必聴です。

 また、英国クラブ・シーンからは、名門「ニンジャ・チューン」の代表格として25年以上にわたり最前線を走り続けてきたプロデューサー、ボノボの新作アルバム『DISTANCE IN STATIC』(9月11日発売)も。本作には日本の青葉市子もゲストで参加しています。

 そして、9月11日(金)には、はっぴいえんどで日本語ロックを確立し、YMOで世界の電子音楽シーンを変革、ソロとしても独自の“観光音楽”を打ち出したトロピカル3部作やゲーム音楽をジャンルへと確立した『ビデオ・ゲーム・ミュージック』といった独創的な視点で後続に影響を与えてきた細野晴臣の通算23枚目のアルバム『Yours Sincerely』がリリースされます。
 
 円熟の威厳とは対照的に飄々とした人柄で愛されるレジェンドの約6年ぶりとなるアルバムは、母性や慈悲といった人間の深層意識をテーマに、孤独や混乱の時代の先にある“調和”を静かに描いた一枚。“母性団”というファンタジックな存在を、カリンバやオルゴールのような音色とともに子守唄のように表現した「Note of Mothership」、50年代にザ・ムーングロウズが発表したDoo-Wopの名曲に、“敬具=心から相手を思いやる気持ち”という新解釈の日本語詞を重ね、のんびりとしたイージー・スウィング調のギターで歌う「Sincerely」など、無償の思いやりを力みのないサウンドで届けます。サウンド面では『プロムナード・ファンタジー』や『MEDICINE COMPILATION』に通じるラウンジ的な質感や、『ヘヴンリー・ミュージック』『Vu Ja De』で聴かせた滋味深いカヴァーの魅力が随所に息づき、細野の歩みが凝縮された内容となっています。

 9月3日には、アルバム・リリースに合わせた自身2度目のUSツアーに向けたプレリュード・ライヴを開催。前日まで療養のため入院していたことを明かし、盟友・高橋幸宏に捧げてSKETCH SHOWの「Stella」を弾き語りでセルフカヴァーし、会場を静かな感動で包み込んだ細野。戦争、災害、感染症──とりわけコロナ禍で浮き彫りになった人間の孤独など、“病と争いで傷だらけの世界”に生きる私たちへ向けた、心のこもったお便りのような『Yours Sincerely』を聴きながら、細野の旅の無事と成功も願いたいものです。


 渋めの男たちの作品が続きましたが、最後に女性たちの作品も見てみましょう。女性アーティストでは中川翔子絢香上白石萌音あいみょんといった人気者4名が、それぞれ自身の周年を記念した作品を9月9日にリリース。

 中川翔子は、歌手デビュー20周年を記念し、アニメ『黒猫と魔女の教室』第2期のEDテーマを表題に据えたシングル「Twilight Magic」を発表。“黒猫”“魔法”“星座”といった中川の好みが詰まったアニメの世界感と、爽やかなハイトーン・ヴォイスとワクワク感のある歌詞が重なる“しょこたん”らしい1曲です。

 絢香のデビュー20周年を記念したベスト盤『20 Lights - The Collection -』は、ファン投票による「絆」盤、絢香自身が選んだ「光」盤、豪華アーティストとの共作を収めた「縁」盤の3枚組。玉置浩二を迎えたバラード「花束じゃなくキミといたい」では、優しく寄り添う歌唱が心を温めます。

 上白石萌音の歌手デビュー10周年アルバム『bouquet』は、全曲が“花”をモチーフに作られ、10年間で出会ったアーティストたちを迎えて紡いだ多彩な楽曲を収録。中でもサラ・ブライトマンとのデュエット「あなたとわたし(ムヘール・コントラ・ムヘール)」は大きな話題となった一曲で、サラの最新作に収録されたヴァージョンとは歌唱パートが再構成されており、聴き比べも楽しめます。

 そして、シンプルで赤裸々な言葉と、フォークからロック、R&Bまでの幅広い音楽性で10年代以降のシンガー・ソングライターを牽引してきたあいみょんも、メジャー・デビュー10周年を記念して初のベスト盤『AIMYON BEST ALBUM - 唇を追え! -』をリリース。デビュー曲「生きていたんだよな」から17thシングル「スケッチ / 君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」まで、表題曲とカップリングを網羅した内容で、「マリーゴールド」「裸の心」といった代表曲からB面曲までを一気に味わうことができます。感受性が深まる秋、じっくり耳を傾ければ、既発曲にも新しい発見が生まれるでしょう。

[紹介した作品]
9月9日(水)リリース
福山雅治 / アルバム『超新星』
斉藤和義 / アルバム『日常Days』
ポルノグラフィティ / アルバム『果実』
タイガーズ・オブ・パンタン / アルバム『エレクトリファイド』
中川翔子 / シングル「Twilight Magic」
絢香 / アルバム『20 Lights - The Collection -』
上白石萌音 / アルバム『bouquet』
あいみょん / アルバム『AIMYON BEST ALBUM - 唇を追え! -』

9月11日(金)リリース
ボノボ / アルバム『DISTANCE IN STATIC』
細野晴臣 / アルバム『Yours Sincerely』


(※写真は、細野晴臣『Yours Sincerely』のジャケット)
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