映画製作において大きな影響を与え、ハリウッドのSFアクション映画を変貌させた“映像革命”を起こしたと言われているのが、
キアヌ・リーヴス主演による映画『
マトリックス』(写真)。1999年3月末にアメリカで公開された後、日本では同年の9月11日に公開となりました。
“映像革命”と呼ばれる理由はさまざまあるのですが、特に印象的なのが、リーヴス演じる主人公のネオ(トーマス・A.アンダーソン)が銃撃された際に、重力に逆らってのけぞり、超高速で弾丸を避ける姿をスローモーションで映し出したシーン。被写体をカメラで囲んでアングルの動く方向に連続して撮影して描き出すこの手法は“バレットタイム”と呼ばれました。また、ネオをはじめとするキャラクターたちの超人的な跳躍力を表現するため、当時のハリウッドではあまり使われていなかった“ワイヤーアクション”を効果的に用いてアクション・シーンを演出したことも、画期的で革新的な映像表現に繋がりました。
また、監督を務めた、ラリーとアンディの
ウォシャウスキー兄弟(のちに性別適合手術を受け、ラナ&リリー・
ウォシャウスキー姉妹に)は、日本のコミックやアニメ、香港のアクション映画を好む、いわゆる“オタク”気質ということもあって、随所にオマージュや特殊な演出、知性あふれるストーリーを取り入れました。たとえば、
大友克洋原作の『AKIRA』や
押井守監督の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』、
ブルース・リー主演のカンフー映画『燃えよドラゴン』などから影響を受けたと思われるシーンを、当時のハリウッドの最新VFX技術と東洋由来のコレオグラフィを融合させて実写映像化。現在では映画界の常識やセオリーともいえる演出・表現を駆使して、世界で興奮や熱狂を導くことになります。
その後『マトリックス』は、2003年に『
マトリックス リローデッド』『
マトリックス レボリューションズ』とシリーズ化。2021年にはシリーズ第4弾となる『
マトリックス レザレクションズ』が公開されました。
27年前に登場し、世界をアット驚かせた“SFアクションの金字塔”ともいうべき『マトリックス』。まだ観ていない人はこの日本公開日(9月11日)をきっかけに、すでに観賞した人はあらためて、刺激と興奮が凝縮した『マトリックス』シリーズの世界観を堪能してみてはいかがでしょうか。