歴史の教科書にも登場する「二・二六事件」が起こるなど、2月26日は印象の強い日のひとつとして知られていますが、『レ・ミゼラブル』の作者として著名な
ヴィクトル・ユーゴー(1802年)や「芸術は爆発だ」のフレーズも流行した巨匠・
岡本太郎(1911年)、いまなお現役プレイヤーとして活躍している“キングカズ”こと
三浦知良(1967年)など、さまざまな分野のビッグネームがこの日に誕生しています。
音楽シーンも同様で、多くの“ヒットメイカー”が2月26日に生まれています。そのなかで有名なアーティスト10名とそれぞれ1曲をピックアップし、2月26日バースデーのプレイリストを作ってみたいと思います。
まずは、“ロックンロールの創始者”の一人とも言われている
ファッツ・ドミノ(1928年生まれ)。米・ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のドミノは、1949年の「ザ・ファット・マン」以来、20曲以上のミリオンセラーを放ち、1986年にはロックの殿堂入りを果たしました。
ジョン・レノンや
ポール・マッカートニーといった
ビートルズのメンバーもアルバムにてカヴァーするなど、その影響力は計り知れません。1曲を選ぶのは困難ですが、
サミー・ケイや
グレン・ミラーの演奏で知られ、1956年にドミノがカヴァー、全米2位・全英6位のビッグヒットとなった「ブルーベリー・ヒル」(Blueberry Hill)を挙げておきましょう。
続いて、カントリーのみならず、ロック、ロカビリー、ブルース、クリスチャン・ミュージックと多岐にわたって活躍した
ジョニー・キャッシュ(1932年生まれ)。反骨精神と哀愁を兼ね備えた独特なバリトンヴォイスによる歌唱は、
ボブ・ディランや
ローリング・ストーンズをはじめ、多くのアーティストにその魂が引き継がれています。カントリー、ロック、ゴスペルとぞれぞれの殿堂入りを果たしていることからも、その音楽的な懐の広さや深さがうかがえます。グラミー賞は11度受賞、ヒット曲最多売上曲数世界一といわれる
エルヴィス・プレスリーの151曲に迫る、140曲超のヒットを放っています。その端緒となった全米17位を記録した1956年の「アイ・ウォーク・ザ・ライン」(I Walk the Line)を選んでおきます。
“バラードの貴公子”“バラードの帝王”と呼ばれるマイケル・ボルトン(1953年生まれ)は、特に80年代から90年代のアダルト・コンテンポラリー・シーンにおいて活躍。全世界で7500万枚超を売り上げ、グラミー賞にも2度輝いています。そのグラミー賞対象曲にもなった、ローラ・ブラニガンへ提供した後にセルフカヴァーした「ウイズアウト・ユー」(How Am I Supposed to Live Without You)とパーシー・スレッジのカヴァー「男が女を愛する時」(When a Man Loves a Woman)と2曲の全米1位ヒットを放っていますが、ここでは自身初のメジャー・ヒット提供曲となった前者「ウイズアウト・ユー」をチョイスします。
2月26日に誕生日を迎える日本を代表するアーティストとして名前が挙がるのは、なんといっても
桑田佳祐(1956年生まれ)。
サザンオールスターズ、ソロを問わず、数々の名曲とヒット曲をシーンに送り込んでいる活躍ぶりは、説明不要でしょう。2019年に
桑田佳祐&The Pin Boys名義で発表したシングル「
レッツゴーボウリング」(写真)でオリコン週間シングルランキング1位となり、史上初の“30代、40代、50代、60代”の年齢4年代連続シングル1位の快挙も達成しました。ちなみに、30代は「真夜中のダンディー」、40代は「波乗りジョニー」「白い恋人達」「東京」、50代は「明日晴れるかな」「風の詩を聴かせて」「ダーリン」「君にサヨナラを」で1位を獲得しています。このなかから桑田佳祐&
Mr.Children名義の「奇跡の地球」を除く現時点での最大のセールスを誇る「白い恋人達」を選曲しましょう。
世界で活躍する
屋敷豪太も2月26日がバースデー(1962年生まれ)。
こだま和文らとミュート・ビートを結成し、
Melonの欧州ツアーに参加。1980年代後期にイギリスへ渡ると、プログラミングを担当した
ソウル・II・ソウルの「キープ・オン・ムーヴィン」(Keep on Movin')が全英5位、続く「バック・トゥ・ライフ」が全英1位・全米4位の世界的なヒットとなりました。90年には
プリンスが
ザ・ファミリーへ提供した楽曲をカヴァーした
シネイド・オコナー「愛の哀しみ」(Nothing Compares 2 U)の演奏とプログラミングを担当し、全米・全英ともに1位に。その後、ドラマーとして加入した
シンプリー・レッドではアルバム『スターズ』が12週全英1位。また、当時
ゲイリー・リネカーが所属していた名古屋グランパスエイトの公式チーム・ソングも屋敷の手によるものです。ここでは1997年に発表し、全米15位、R&Bチャート1位を獲得したリミックス・アルバムのタイトル曲「It's So Different Here」を挙げておきます。
数多くの全米1位楽曲を生み出しているのが、スウェーデンの音楽プロデューサー / ソングライターの
マックス・マーティン(1971年生まれ)。2024年時点で、ソングライターとしてはポール・マッカートニーの32作品に次ぐ、27作品が全米1位に輝くほか、プロデューサーとしては
ブリトニー・スピアーズ「ベイビー・ワン・モア・タイム」(...Baby One More Time)をはじめ、
ピンク「ソー・ホワット」(So What)、
ケイティ・ペリー「カリフォルニア・ガールズ」(California Gurls)、
マルーン5「ワン・モア・ナイト」(One More Night)、
テイラー・スウィフト「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」(We Are Never Ever Getting Back Together)、
ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」(Blinding Lights)など、25作品を全米1位に送り込んでいます。マーティンが手掛けた数あるヒット曲のなかからは、全米1位ではありませんが、日本でも大ヒットし、
なかやまきんに君のネタのBGMとして使われている
ボン・ジョヴィ「イッツ・マイ・ライフ」をセレクトしましょう。
ネオソウルやオルタナティヴR&Bシーンにて強烈な個性を放っているのが
エリカ・バドゥ(1971年生まれ)。1997年のデビュー・アルバム『バドゥイズム』は全米2位を記録し、グラミー賞最優秀R&Bアルバム賞、最優秀女性R&Bヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞。2000年の2ndアルバム『ママズ・ガン』ではより深化した世界観で、メディアからも高評価を獲得しました。また、日本では
MISIAとのコラボレーションでも知られ、バドゥがMISIAの代表曲「Everything」をカヴァーし、MISIAのアルバム『MARS&ROSES』にも参加し、話題を集めました。クリエイティヴな作品が多いバドゥの楽曲からは、ラッパーの
コモンをフィーチャーし、グラミー賞最優秀うR&Bソングを受賞した「ラヴ・オブ・マイ・ライフ(アン・オード・トゥ・ヒップホップ)」(Love of My Life (An Ode to Hip-Hop))を選びます。
2023年にリリースした『ブラック・レインボウズ』でこれまでのイメージを大胆にチェンジさせた、イギリス・リーズ出身の
コリーヌ・ベイリー・レイ(1979年生まれ)。2006年のセルフタイトル作となったデビュー・アルバムは全英1位・全米4位となり、一躍スターダムにのし上がりました。『ブラック・レインボウズ』まで4枚のアルバムを発表していますが、毎作品ごとに高い評価を獲得。また、米・グラミー賞と“黒人起源の音楽”の功績を称える英・MOBO賞ではそれぞれ2度の受賞を果たしています。そんなコリーヌ・ベイリー・レイからは、全英2位に輝き、世界的ヒットとなった「プット・ユア・レコーズ・オン」(Put Your Records On)を挙げておきます。
残り2曲は日本から。現在はバラエティなどタレント活動や、YouTubeでの人生相談ではズバッと的確な“神アドバイス”で人気を博している“ミキティ”こと
藤本美貴(1985年生まれ)も2月26日がバースデー。アイドル時代は2002年に1stシングル「会えない長い日曜日」でソロ歌手デビューを果たすと、
松浦亜弥、
後藤真希とのユニット“
ごまっとう”を結成。翌年には
モーニング娘。の6期メンバーとして加入し、その後、5代目リーダーも務めました。また、
カントリー娘。に
紺野あさ美と藤本(モーニング娘。)、GAMなどのユニットでも人気を博しました。ミキティの楽曲から選ぶとすれば、ここはやはり、自身最高の3位を記録し、NHK『紅白歌合戦』に初出場の際に歌った“ロマモー”こと「ロマンティック 浮かれモード」でしょう。
最後は、“クリケイ”“クリちゃん”の愛称で知られる、横浜出身の
Crystal Kay(1986年生まれ)。13歳の時にCMソングに使われた「Eternal Memories」や、映画『サトラレ』の主題歌「LOST CHILD」で名を広めると、
m-floの
☆Takuプロデュースの「hard to say」がヒット。m-floにゲストヴォーカリストとして参加した後、2005年の
草?剛主演ドラマ『恋におちたら〜僕の成功の秘密〜』の主題歌に起用された「恋におちたら」が2位と現時点での自身最大のヒットを記録しました。以降も
CHEMISTRYとのコラボレーション曲や、
ジャネット・ジャクソンほか数多くのヒットを生んだ世界的プロデュースチームの
ジャム&ルイスが手掛けた「Kirakuni」など、ダンスやバラード問わず作品をリリースしています。そんな“クリケイ”ソングからは、セレクション・アルバム『CK5』収録曲を決めるファン投票や、ファンが大好きな曲を選ぶデビュー10周年ファン投票企画ともに1位を獲得した「Boyfriend -partII-」で異論はないのではないでしょうか。
もちろん、そのほかにも2月26日生まれのアーティストがいますので、お好みのアーティストのバースデープレイリストを作成しながら、音楽に触れてみてはいかがでしょうか。
■バースデープレイリスト〈2月26日〉篇
Fats Domino「Blueberry Hill」
Johnny Cash「I Walk the Line」
Michael Bolton「How Am I Supposed to Live Without You」
桑田佳祐「白い恋人達」
屋敷豪太「It's So Different Here」
Max Martin「It's My Life」(Bon Jovi)
Erykah Badu「Love of My Life (An Ode to Hip-Hop)」
Corinne Bailey Rae「Put Your Records On」
藤本美貴「ロマンティック 浮かれモード」
Crystal Kay「Boyfriend -partII-」