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8月15日誕生!〜フレンチポップスの女王 シルヴィ・ヴァルタン

シルヴィ・ヴァルタン(Sylvie Vartan)   2025/08/15掲載
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シルヴィ・ヴァルタンの人気曲についておしえてください。
 8月15日は、“イエイエの女王”“フレンチポップスの女王”ことシルヴィ・ヴァルタンのバースデー。その誕生日を祝して、人気曲を紹介していきましょう。

 1944年にブルガリアにてブルガリア人の父とハンガリー人の母との間に生まれたヴァルタンは、8歳でフランス・パリへ移住。芸術一家に育つなか、ジャズ・ミュージシャンの兄の影響でジャズを鑑賞したり、舞台女優を夢見ながらエルヴィス・プレスリーレイ・チャールズなどロックンロールやR&Bなどのアメリカン・ミュージックに傾倒し、1961年の17歳の時にフランキー・ジャルダンとデュエットした「恋のハプニング」で歌手デビューを果たしました。

 1963年に「おセンチな17才」がヒットすると、若者たちを中心としたファンがコンサートへ押し寄せ、翌1964年の「アイドルを探せ」が大ヒット。自身が出演した映画『アイドルを探せ』の主題歌にも起用され、その美貌とハスキーな歌声で、またたく間に世界的な人気を獲得していきます。以降も「あなたのとりこ」「想い出のマリッツァ」「悲しみの兵士」「哀しみのシンフォニー」など次々とヒットを放ち、“イエ・イエ(ロック調の歌)の女王”“フレンチポップスの女王”と称されました。

 ちなみに、「アイドルを探せ」は、中尾ミエhitomiなどがカヴァーを発表し、パナソニック「デジカメ」やイオン「カシミア」、松田聖子出演の富士フイルム「アスタリフト」などのCMソングに起用されています。

 ヴァルタンの人気は日本も例外ではなく、1965年の初来日では羽田空港に約1,000人のファンが駆けつけたといいます。その初来日の際に制作されたのが、レナウン「ワンサカ娘」のTV-CM。小林亜星が手掛け、かまやつひろし弘田三枝子が歌ってきたCMソング「ワンサカ娘」をヴァルタンも歌唱。印象的な“ワンサカ ワンサ イエイ イエイ イエイ イエー”のフレーズをはじめ、キャッチーでポップなこの曲を、日本語で披露していました。日本で成功を収めたヴァルタンは、来日公演のほか、TV番組にも数多く出演。その人気は衰えることを知らず、近年でもビルボードライブやBunkamuraオーチャード・ホールなどの公演で盛況を収めています。

 華々しい活躍が目立つヴァルタンですが、23歳と25歳の時に交通事故に遭い、80年には20歳で結婚したロック歌手ジョニー・アリディと離婚するなどの大きな痛手も経験。それでも精力的に歌を歌い続けてきました。2002年には宮崎あおい出演のサントリー「緑水」CMソングに「あなたのとりこ」が使われると反響を呼び、同曲を収録したアルバム『シルヴィ・バルタン・ベスト』がチャートインしたりと、“フレンチポップスの女王”の健在ぶりを発揮しました。

 なお、「あなたのとりこ」は、前述のサントリー「緑水」はじめ、キヤノン「EOS」や桃井かおり出演のキリン「ホップの真実」、ANA、SUZUKIなど数多くのCMソングに使われるほか、妻夫木聡や玉木宏が出演した2001年公開映画『ウォーターボーイズ』の挿入歌としても知られています。

 1984年にイタリア系アメリカ人の映画・音楽プロデューサー、トニー・スコッティと再婚して以来、パリに住居を持ちながら、アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動を展開。惜しむらく、2025年1月のパリ公演をもって定期的なコンサートに終わりを告げたヴァルタンですが、80歳を超えても歌手を含めた活動は継続。2月にはフランスの最高峰の音楽賞「ヴィクトワール・ドゥ・ラ・ミュージック」の名誉賞を受賞しています。

(写真は2022年リリースのシルヴィ・ヴァルタンのベスト・アルバム『ベスト・スウィート・セレクション』)
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