キャロルを演じるレイ・シーホーンは、1998年に映画『A Case Against Karen』で女優デビューして以降、数々の映画やドラマに出演し、『アメリカン・ダッド』や『ファミリー・ガイ』でアニメ声優もこなしてきた演技派。クセの強い脇役を演じてきた彼女が、“遅咲きのヒロイン”としてブレイクを果たしたのが『ブレイキング・バッド』の前日譚を描いたスピンオフ作品『ベター・コール・ソウル』です。ボブ・オデンカーク演じる駆け出しの弁護士ジミー・マッギルが、意図せず周囲の人々を傷つけながら悪徳弁護士“ソウル・グッドマン”になっていく過程を描いた本作で、主人公を支える女性弁護士キム・ウェクスラーを演じ、エミー賞助演女優賞に2度ノミネートされています。
■リトル・バーリー「ベター・コール・ソウル・メイン・タイトル・テーマ」 オープニング・テーマ / サウンドトラック『Better Call Saul (Music from the Television Series)』収録 後の悪徳弁護士ソウル・グッドマンにしてみれば、『ベター・コール・ソウル』で描かれるジミーの物語は、基本的には苦い過去。しかし、一緒に事務所を立ち上げ同棲もしたキムとの日々には、甘い感傷も残っているのではないでしょうか。英国のロック・トリオ、リトル・バーリーが書き下ろしたテーマ・ソングは、ヴィンテージなギター・サウンドが奏でる甘く、怠惰な旋律が印象的で、各回を追うごとに、画質が荒れていく(演出上)タイトルバックを切なく彩りました。ドラマではイントロしか流れませんが、歌詞付きのフル・ヴァージョンはサウンドトラックに収録されています。
■ジプシー・キングス「A Mi Manera」 シーズン2 ep.5 / ジプシー・キングス『ジプシー・キングス』収録 有能な弁護士にも関わらず、資料室送りにされてしまったキムが、膨大な資料整理をこなしつつ、顧客獲得で逆転しようと奮闘する場面で流れます。ジミーが助けようとするも、きっぱり拒み自力で這い上がろうとするキムの強さと、カラリと明るいスペイン語版「マイ・ウェイ」は爽快な組み合わせ。顧客を獲得したキムのガッツポーズはキュートでした。レイ・シーホーンは、頑固な女性をチャーミングに演じるのが本当に上手です。